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名大病院ミス 患者死亡 50代患者がん疑い見落とし

(2017年10月20日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

 名古屋大病院(名古屋市昭和区)は19日、大腸がんの疑いのある愛知県の50代男性患者に必要な対応を7カ月間怠り、昨年9月に患者が死亡する医療ミスがあったと発表した。

 病院によると、男性は血友病などで定期的に通院していたが、2014年1月2日に、全身のだるさや重度の貧血のため同病院に救急搬送され、胸腹部のコンピューター断層撮影(CT)などの検査を受けた。その際、放射線科の医師が大腸下部にがんの疑いがあるとの報告書を電子カルテに作成したが、血液内科などの担当医2人は見ていなかった。男性は血友病などの治療をしただけで、2週間ほどで退院した。

 7カ月後、男性は再び全身のだるさなどを訴えて受診し、S状結腸がんであることが判明。既に末期の状態で、手術や抗がん剤治療を続けたが、2年後に死亡した。

 病院の調査委員会が担当医2人に聞き取り調査し、慌ただしい正月中の救急搬送で、担当医が報告書に気づかなかったのが原因と分かった。がんの疑いが判明した時点で治療していれば、5年生存率は75〜85%だったという。

 名大病院は昨年9月と12月にも、検査報告書の共有不足や見落としで患者が死亡する事故があった。石黒直樹院長は会見で「ミスが繰り返されたことは、ざんきに堪えず本当に申し訳ない」と陳謝した。すでに遺族に謝罪し、損害賠償について話し合っている。

 再発防止のため、病院は15年6月、未読の報告書があれば電子カルテの画面上で注意喚起するシステムを導入。現在は長期の未読事例はなくなったとしている。

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