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〈味な提言〉(3) 食品の機能(嗜好機能) おいしさ決める要素

(2017年10月29日) 【中日新聞】【朝刊】【愛知】 この記事を印刷する

愛知学泉大家政学部准教授・管理栄養士 岡本康子さん

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 皆さま、お元気でお過ごしですか?

 早速、前回の話の続きです。食品には、生命維持に関わる最も重要な栄養機能(一次機能)、感覚に訴える嗜好(しこう)機能(二次機能)、生理作用に関わる生体調節機能(三次機能)の三つの機能があります。先週の話でお米に含まれるでんぷんは唾液アミラーゼによりデキストリンに分解(消化)され、さらに膵液(すいえき)、腸液により消化され、最終的にグルコースになり吸収されていく仕組みがあります。よくかむことで消化が助けられます。

 ところで、読者の皆さまは食生活指針をご存じでしょうか? 2000年3月に、当時の文部省、厚生省および農林水産省が連携して策定、16年6月に16年ぶりに改定されました。その指針の第一は「食事を楽しみましょう」です。実践するための文言は一部改正され、「おいしい食事を、味わいながらゆっくりよくかんで食べましょう」が追加されています。

 食べる目的には生きていくことだけでなく食事を通しておいしさを感じ、満足感を得るなど、おいしさや楽しみが伴っていることが大切です。つまり食生活指針の第一です。

 そこで、今回は第二の機能といわれる嗜好機能について触れます。おいしさを決定する要素には味覚に対する呈味成分のほか、嗅覚で感じるにおい成分(食べ物の香り)、視覚に訴える色(色素)、外観など多くの化学的成分の特性が関与しています。ちなみに食欲を増進させる色は赤や黄色と言った暖色系の色です。

 そして食べた時の味と食感(弾力性や粘性、歯応え、舌触り、のど越しなど)、つまり物理的特性、温度もおいしさの重要な因子となります。また、食べる人の空腹度や心理状態、食事をする環境、食習慣や食文化などが統合されておいしさが決定されます。奥が深いですよね。

 来週は香り、味、色など、食品由来の成分についてお話しする予定です。ではまた。

本日の一品

画像フルーツサラダ

フルーツサラダ

<材料 1人分>

サツマイモ30グラム、カボチャ40グラム、柿30グラム、リンゴ20グラム、キウイ20グラム、マヨネーズ8グラム、ヨーグルト40グラム、好みで塩、コショウ

<作り方>

サツマイモ、カボチャはラップに包み、電子レンジで調理(目安100グラム/2分)▽果物はそれぞれお好きな大きさにカット▽マヨネーズ・ヨーグルトであえる

<栄養素のポイント>

(1)ビタミンC(1日の必要量100ミリグラム)は風邪予防、免疫力アップ効果(2)カルシウム(推奨量:男性800ミリグラム、女性600ミリグラム)は骨や歯の構成要素、体の生理機能を調整し心を安定させる(3)ビタミンD(1日必要量:18歳以上5.5マイクログラム許容上限範囲50マイクログラム)はカルシウム、リンの調節、筋肉の発達や免疫反応を助ける※ただしビタミンD、カルシウム強化のヨーグルト使用の場合(ダノンデンシア)

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