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半田病院移転 高台に変更を

(2017年10月31日) 【中日新聞】【朝刊】【愛知】 この記事を印刷する

知事提案、市長は「重視」

画像共同で記者の質問に応じる大村知事(右)と半田市の榊原市長=県公館で

 半田市立半田病院の移転先問題で、大村秀章知事は30日午後、県公館で榊原純夫・半田市長と会い、津波や台風で浸水が危惧される現在の移転候補地を断念し、高台に変更するよう助言した。移転先を問う住民投票の実施を市長に直接請求した市民団体の浅野麻里奈会長は、知事の仲裁案を歓迎し、住民投票の実施にこだわらない考えを示した。(豊田雄二郎、中村禎一郎、三宅千智)

 30日午前の定例会見で、知事は、仲裁に入る理由を「今の状況を看過しているわけにはいかない。住民投票は否定しないが、市民病院の移転など複雑な案件にはそぐわない。感情的な対立やしこり、無用な混乱を招く」と語った。

 県は知多半島で唯一、半田病院を、高度な救急医療を24時間体制で求める「救命救急センター」を備えた災害拠点病院に指定している。

 知事は、移転先の候補地を、現病院に隣接する市職員駐車場(東洋町)から、半田運動公園(池田町)に変更するよう求めた。県防災計画では、大規模災害時にヘリで重症患者を搬送する拠点に運動公園を位置付ける考えで、知事は「搬送拠点と半田病院が隣接すれば、大規模災害時に大きな意味を持つ」と話した。

 あくまで「運動公園は一例。市がふさわしい場所を検討し、決定すべきだ」と述べつつ、「運動公園は市有地で、アクセス道路なども含め、フィジビリティ(実現可能性)が高い」と踏み込んだ。

 公園一帯は市街化調整区域のため、開発には知事の許可や用途変更が必要になる。また、公園は市の最西端で中心部から遠くなる。半田市議からは「少子高齢化の中、まちづくりの考え方に合うか、整理が必要だ」との声も出ている。

 知事会見を受け、県公館を訪れた榊原市長は「知事の提案を重く受け止める必要がある。ストップ&シンキング(立ち止まり考える)したい」と述べた。来年3月までには移転先を決めたいとした。

 市民団体の浅野会長らは今月19日、地方自治法による住民投票条例の制定請求書を提出。榊原市長は11月8日までに議会を招集し、意見書を添えて条例案を議会に付議する必要がある。

 本紙の取材に、浅野会長は「うれしいの一言。市職員駐車場以外の高台であれば、という思いで活動してきた。災害医療の面でも運動公園は最適と思う」と喜んだ。住民投票の行方にも言及し「私たちにはそれしか手段がなかった。知事の意向を受け市長が『高台に』と決定すれば(住民投票を)する必要はないと思う」と話した。

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