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ぜんそくの重症化防ぐ てらだアレルギーこどもクリニック 寺田明彦さん

医人伝

(2017年10月31日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

てらだアレルギーこどもクリニック(名古屋市南区) 院長 寺田明彦さん(56)

画像きちっとした測定ができるよう声掛けをしながら肺機能検査をする寺田明彦さん

 ダニとほこりのアレルギーによるぜんそくは、重症化するとなかなか治らない。大同病院(名古屋市南区)の小児アレルギー科で重いぜんそくの子どもを診るうち「生まれた直後から、適切なアレルギーの治療をしないと、ぜんそくは予防できない」と考えるように。大人になるまで患者と付き合える個人医院をと、2010年に開業した。

 せきが続いている子どもが、ぜんそくなのかを診断するのは難しい。聴診器で呼吸音を聴いたり、エックス線写真を撮ったりといった検査のほか、親から経過を聞き取ることも大切だ。電子カルテの入力は医療秘書に任せ、正面を向いて会話をする。以前は気管支を広げる薬しかなかったが、吸入ステロイド薬で治療ができるようになってからは重症化する子どもは少なくなった。「適切な診断を下し治療をすると苦しかったせきが治まる。患者が喜ぶ姿がやりがいです」

 愛知県津島市出身。内科医だった祖父の姿を見て医師を志した。名古屋市立大を卒業後、静岡市の病院に赴任。小児科医の基礎を学ぶとともに、忘れられない患者と出会った。

 虚弱児を受け入れていた伊豆の養護施設の診療所に派遣されたとき、ぜんそくで長期入院していた男子中学生が、発作を起こしてよくやってきた。当時は珍しかった測定器具で症状を抑え、高校受験も乗り切った。

 静岡市の病院に戻って半年ほどして、父親から「下校途中に重い発作を起こして救急車で運ばれ、病院で脳死状態となった」と電話があった。病院に駆け付けて泣いた。その後、その子は死亡。医師人生で唯一ぜんそくで亡くなった患者だった。

 以来、ぜんそくの子どもに全力で向き合う。長期入院をする患者が多かった三重病院(津市)で5年間過ごし、米国に留学もした。研究が進み、アレルギー性のぜんそくになる子どもは、乳幼児期にアトピー性皮膚炎や食物アレルギーを経験している場合が多いことが分かってきた。「総合病院では、ぜんそくが悪化した患者が多く乳児は少ない。診療時間にも制限があった」ことが開業を後押しした。

 ぜんそくの子どもたちにいつも言っているのは、将来、たばこを吸わないことだ。「たばこの害について知識を持たないと、治る病気も治らない」。小学校に出向いた喫煙防止教室にも力を入れる。(稲田雅文)

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