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金沢の男性 県内初認定 重度訪問介護 24時間超支給 「病院だけで人生終えたくない」

(2017年11月3日) 【北陸中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する
画像人工呼吸器を着けながら、支援者宅で生活する古込和宏さん=2日、金沢市内で

 筋肉が徐々に衰える難病「筋ジストロフィー」を患う金沢市の古込和宏さん(45)に対し10月、長時間介護を支援する公的制度「重度訪問介護」での1日24時間以上の介護費支給が、石川県内で初めて認められた。支援団体「介護保障を考える弁護士と障害者の会全国ネット」によると、同制度で1日24時間以上の支給例がなかったのは全国で石川だけで、今回の決定で空白地がなくなった。37年ぶりに病院外での生活を始めた古込さんは、念願だった自立に向けて歩みだした。(蓮野亜耶)

 古込さんは5歳でデュシェンヌ型筋ジストロフィーと診断され、8歳で入院。今は眼球や唇以外、自力で動かすことは難しく、2012年からは気管切開をして人工呼吸器を使っている。

 12年4月、一時的に心停止に陥ったことを機に「病院外の世界を知らないまま、人生を終えたくない」と退院を決意。今年3月末に弁護士らと金沢市に「重度訪問介護」の利用を申請していた。

 市は、古込さんに1日の介護の流れや必要な介助についてヒアリング。さらに医療関係者らでつくる専門家委員会の意見を聞いた上で、月937.5時間分の支給を認めた。

 10月中旬に市内の病院を退院した古込さんは、市内の支援者宅の一室を借りて生活している。ヘルパー6人が交代で入浴の介助や、夜間のたん吸引などを担当。月に2回、看護師が訪問して医療的なケアを行う。

 「違う惑星に来たよう」。37年ぶりに病院を出た古込さんは“普通の生活”に慣れるのに必死だ。ごみの分別や洗濯の仕方など、これまで病院の職員にしてもらっていたことをインターネットで調べる日々だが、「できないなりに一生懸命生きている」と実感している。

 将来的にはアパートを借りて生活することが目標だ。古込さんは「今回の決定が重度障害者にとって、地域で自分の人生を歩みたいという人の新たな選択肢となれば」と話している。

 重度訪問介護 障害者総合支援法に基づくサービス。6段階の障害区分で4以上の重度障害者が自宅で入浴、食事、排せつ、外出時の支援など総合的な介護を受けることができる。市町村が支給決定する。昨年6月、長期入院者でも利用できるようになった。

 古込さんの支援団体は善意を募る口座を開設している。

 ゆうちょ銀行からの送金の場合 記号13120 番号20763391口座名義「地域で暮らすためにみんなで考える会」。他行からの送金の場合 318支店 2076339口座名義「地域で暮らすためにみんなで考える会」。問い合わせは、金沢税務法律事務所=電076(262)3628=へ。

 11月中旬にヘルパーが1人加わるが、引き続き募集している。問い合わせはメールで古込さん=matsumotokangen@gmail.com=へ。

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