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偏見防ぐ教育 4割未満 B型肝炎で医療者養成機関

(2017年11月4日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

 集団予防接種の注射器使い回しによるB型肝炎感染被害を巡り、看護師など医療従事者の養成課程で、患者らへの偏見や差別を防ぐための講義を実施している教育機関が4割に満たないことが、厚生労働省研究班の調査で分かった。厚労省は教育の推進を求める通知を47都道府県に出した。

 B型肝炎は日常生活ではほとんど感染せず、適切な対応を取れば防げるが、依然として医療機関で診療の順番を後回しにされるなど不当な扱いを受ける患者らもおり、医療従事者への教育徹底が急務だ。

 研究班は2016年度、看護師の養成所など看護師、准看護師、臨床検査技師、歯科衛生士の4職種を教育する都道府県指定の約1100校を調査。約6割から回答があったうち、偏見防止の講義を実施したのは36・5%で、患者や家族の話を直接聞く機会を設けたのは9校だけだった。

 B型肝炎被害については注射器の使い回しを放置したとして国の責任を問う集団訴訟があり、11年に国が給付金50万〜3600万円を支払うことで全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団と合意。基本合意書に「国は患者が不当な偏見・差別を受けることなく安心して暮らせるよう啓発・広報に努める」と盛り込まれた。同原告団・弁護団が昨年7月、厚労省との定期協議で、医療関係職種での教育充実を要望し、調査につながった。

 調査結果を受け、厚労省は今年10月30日、B型肝炎患者や家族に体験を語ってもらう授業を取り入れたり、歴史的事実を教えたりするなど偏見や感染拡大を防止するための教育を推進するよう都道府県に通知。4職種を含め、保健師や助産師など計19職種の養成機関に周知するよう求めた。

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