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揺さぶられ症候群 冤罪防止 医学理論 弁護士ら検証

(2017年11月5日) 【北陸中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

 「乳幼児揺さぶられ症候群」(SBS)で虐待を疑われた養育者の冤罪(えんざい)を防ごうと、弁護士や研究者らが「SBS検証プロジェクト」を立ち上げた。ホームページを開設し、SBSの医学理論が海外で問題視されている状況を解説。「裁判所や検察と議論を深める必要がある」と訴えている。今後、医師らと研究会を開催するほか、弁護活動での連携も目指す。

 SBSは乳幼児が激しく揺さぶられた際に起こる頭部の損傷で、硬膜下血腫、網膜出血、脳浮腫の3兆候があるのが特徴とされる。この理論は1970年代以降に米国で広がり、3兆候を基にSBSだとして刑事訴追される事例が相次いだ。

 プロジェクト共同代表の秋田真志弁護士によると、90年前後から、欧米の医師らが揺さぶりと3兆候との関連性に疑問を投げ掛ける報告を次々と発表。米国、英国、カナダ、スウェーデンなどで訴追に慎重な動きが出てきたが、日本では議論が進んでいないという。

 最近では岐阜や大阪で、傷害罪で起訴された母親が否認したり無罪を主張したりしている。いずれも1人で育児をしている際に乳児が脳障害を負ったケースで、秋田弁護士は「日常的な虐待をうかがわせる外傷はなく、SBS理論のみに依拠して揺さぶりだと決めつけている」と指摘する。

 共同代表の甲南大の笹倉香奈教授(刑事訴訟法)は「虐待は許されないが、冤罪の悲劇から家族を守るために慎重な医学的検証が必要だ」と話す。連絡先は事務局、電06(6316)3100。

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