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乾癬 正しい理解を 「うつる」と勘違い/入院必要な場合も

(2017年11月7日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する
乾癬の皮膚と健康な皮膚

 皮膚が赤く盛り上がり、かさぶた状になって落ちる病気「乾癬(かんせん)」。実際はうつらないのに病名から「感染する」と勘違いされたり、皮膚がはがれる症状から差別的な扱いを受けたりと、患者は精神的にも苦しんでいる。世界乾癬デー(10月29日)に合わせ、東京都内で先月25日に開かれた啓発イベントでは、患者であることを告白したモデルの道端アンジェリカさん(31)らが正しい知識を持つことの大切さを訴えた。 (竹上順子)

 乾癬は炎症性の皮膚の慢性的な病気。皮膚の細胞が通常より速いスピードで増え、赤みを帯び、厚く積み上がった銀白色の「鱗屑(りんせつ)」となってはがれ落ちる。免疫システムにも異常が生じ、炎症を起こす体内物質「TNFα」や白血球などが増え、かゆみを引き起こすこともある=図。

 日本人の推定患者数は約40万人で、国民の0.3%程度。認知度は低く、東京慈恵会医科大の中川秀己教授(皮膚科)は「患者さんでも正しく知っている人は少ない」と話す。

 乾癬は症状によって5種類に分けられる。皮膚の炎症と、鱗屑がはがれ落ちる症状が中心の「尋常性乾癬」が患者の9割を占める。ほかには、関節に痛みや変形が現れるもの、高熱で入院治療が必要なものもあり、放置は禁物だ。

 根治できる治療法はないが、中川教授は「症状をゼロに近づけることは可能。一度良くなれば、治療をやめても数年にわたり、一般の人と同じような生活を送れる人も多い」と説明する。主な治療法は、塗り薬▽飲み薬▽紫外線の照射▽免疫に関わる物質の働きを抑える生物学的製剤の投与(点滴・注射)−。これらを効き方によって替えたり組み合わせたりする。

 乾癬の原因は完全には分かっていない。遺伝的要因に、ストレスなどの外的要因、肥満などの内的要因が加わり発症するとみられる。中川教授は「自分の症状が悪化する因子を見つければ、症状をコントロールできる」と助言する。

「抱え込まず相談して」 道端アンジェリカさん

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 道端さんはことし5月、インターネットの写真共有アプリ「インスタグラム」で乾癬であると告白。肌に赤みの残る顔の写真も載せた。反響は大きく、患者らから「勇気をもらった」との声が寄せられた。

 発症は約6年前。肘など3カ所に10円玉大の赤みが出た。病名は分からなかったが、すぐ治ると思い、受診しなかった。誰にも相談することなく、皮膚炎に効く市販薬などで対処した。テレビ出演や写真撮影では長袖の服を着たり、体にファンデーションを塗ったりして隠したが、「毎日うそをつくのがつらかった」と振り返る。

 昨秋、骨折で入院。ストレスのためか、症状は全身に広がった。自分の姿を見たくないと、入浴時は明かりを消した。この頃、好きな海外タレントのブログを見て自分が乾癬と分かり、ようやく専門病院を受診した。治療を始めてから約半年で、症状はいったん収まり、今は薬を休んでいる。

 乾癬かもしれないと悩む人に、道端さんは「私も告白したことで、気持ちが楽になった。抱え込まず、周りに相談して」と助言。日本乾癬患者連合会長の柴崎弘之さん(42)も「ぜひ一歩を踏み出し、患者会などに来てほしい」と呼び掛けた。

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