つなごう医療 中日メディカルサイト

驚きの技術 治療安全に

(2017年11月11日) 【中日新聞】【朝刊】【静岡】 この記事を印刷する

メディカルフォトニクスの最前線

画像光技術の研究に必要な遠赤外光を発生させる装置の前で話す三村秀典所長=浜松市中区で

 静岡大と中日新聞の連携講座「健康・医療の可能性を拓(ひら)く」の3回目となる講義「光技術が開く医療の可能性〜メディカルフォトニクスの最前線」が14日、浜松市中区の静岡大浜松キャンパスで開かれる。講師の同大電子工学研究所の三村秀典所長(61)に講義のポイントを聞いた。 (聞き手・相沢紀衣)

 −注目の集まる光技術。講義では何を伝える。

 研究所では映像を撮る光技術の研究をしている。この10年で人の目をはるかに超える映像を撮る技術が生まれ、一般だけでなく、医療にも応用できるレベルまで性能が上がった。研究所の6人の最先端の技術を解説して驚いてもらおうと思っている。

 −どんな技術があるのか。

 一つは、今のデジタルテレビの16倍の解像度で映す「8K」の技術。すごく鮮明に映るため奥行きがあるようにも見え「3Dテレビはいらないのではないか」とも言われている。医療に応用すると、病気の細胞を映した画像をきれいに拡大することができ、診断をより正確に行える。

 他にも細胞を生きたまま高い解像度で見ることのできる顕微鏡や、ある物体のエックス線画像を撮るだけでその物体の原子番号まで分かる技術もある。

 −三村先生の研究内容は。

 エックス線を発生させる新たな方法について研究している。現在の方法では、発生させる際に高い電圧が必要になるが、私の研究では一般にも普及している「レーザー光」を用いてエックス線を発生させることができる。がんの外科手術の後、転移を防ぐために体内に小型の「エックス線管」を入れて照射する治療法を選ぶ場合も、新技術を使えば、体内に高い電圧がかかる器具を入れなくて済む。さらに安全に治療できるようになる。

 −今後の展望は。

 光技術には無限の可能性がある。来春には静岡大と浜松医科大で光医工学の共同大学院が開設される。技術をさらに育ててくれる人を輩出していきたい。

中日新聞広告局 病医院・薬局の求人