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認知症ケアにAI活用 介護士の経験分析、共有

(2017年11月25日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

静大教授ら 28日「学会」設立

AIによる認知症ケア映像の解析イメージ

 認知症患者を支える介護士らの経験を人工知能(AI)で解析し、ケアのあり方を探ろうと、静岡大創造科学技術大学院の竹林洋一特任教授らが28日、「みんなの認知症情報学会」を設立する。高齢化が進む日本で安心して暮らせるよう、誰もがプロレベルの介護を受けられる社会を目指す。 (相沢紀衣)

 学会は「認知症は個性である」を理念とし、これまで医師や介護士の主観に頼りがちだった認知症ケアを、AIを使って客観的に分析する。それによって得た知識を市民と共有したり、医療の専門家らと連携したりして、認知症患者と家族が自分らしく穏やかに暮らせる環境づくりに取り組む。

 理事長は認知症情報学を確立した竹林特任教授が務め、理事にはリクルートホールディングスのAI研究所を立ち上げた専門家や、高齢者医療の専門家らが、分野の垣根を越えて参画。事務局は静岡大イノベーション社会連携推進機構内に設置する。公的な資金援助に頼らず、学術的な活動と並行し、認知症ケアの啓発セミナーなどの収益事業を行う。

 既に行っている研究の一例としては、経験豊かな介護士が認知症患者をケアする映像をAIで解析している。実際に介護士が患者とコミュニケーションを取っている場面を撮影し、AIによって「見る」「話す」「触れる」などのケアがいつどのタイミングで、どのように行われたかを時間軸に表す。これにより、技術を学んでいる人の習熟度をより緻密に評価できるようになる。

 竹林特任教授は「いまは介護の人材難と言われているが、知を集約しスキルを共有できれば世の中が大きく変わる」と力を込める。

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