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「難治性リンパ管疾患」治療薬 岐阜大病院が治験開始

(2017年11月30日) 【中日新聞】【朝刊】【岐阜】 この記事を印刷する
画像シロリムスを使った治験について説明する小関講師(左から2人目)=岐阜大医学部で

 岐阜大病院は、国内の大学病院など5施設と連携し、難病の「難治性リンパ管疾患」の治療薬の薬事承認に向けて、医師主導の治験を進めている。岐阜大病院が中心となって、10症例の治験を目指す。承認されれば、この難病に対する世界初の治療薬となる。(秋田佐和子)

 「難治性リンパ管疾患」は、頸部(けいぶ)や胸部にリンパ液がたまった袋ができて腫れ上がる「リンパ管腫」と、胸部や腹部にリンパ液がたまる「リンパ管腫症」、骨がリンパ管組織で溶かされる「ゴーハム病」の総称。気道が圧迫されて食事が困難になったり、胸水がたまって呼吸障害で死亡するケースもある。

 岐阜大病院によると、患者は国内に数百人いるとみられる。現在はステロイドや抗がん剤による対処療法が主流で、薬事承認が得られた治療薬もなく、治療法は確立されていない。患者数も少なく、これまで製薬会社や他の大学病院による治験もされてこなかった。

 今回、岐阜大病院が治験で治療薬として扱う「シロリムス」は、国内では別の難病で薬事承認を得ているもの。リンパ液が異常に作られたり、漏出したりするのを抑える作用があるとされる。岐阜大病院では、2014年から13症例でシロリムスによる臨床研究を行い、76.9%に症状の改善が認められるなど、実績を積んできた。10月からは、30代女性患者での治験を開始した。

 5施設の研究代表者を務める岐阜大病院小児科の小関道夫講師(40)は「薬一つで症状が改善され、患者さんたちの生活が良くなることが目標です」と意欲を語った。

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