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〈味な提言〉(8) 食品の生体調節機能 フィトケミカルで免疫力強化

(2017年12月3日) 【中日新聞】【朝刊】【愛知】 この記事を印刷する

愛知学泉大家政学部准教授・管理栄養士 岡本康子さん

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 皆さまお元気でいらっしゃいましたか。町はクリスマスイルミネーションで彩られるようになってきましたね。わくわくする季節です。

 さて、ここまで食品に含まれる香り、味、色成分の2次機能について話を進めてきました。今回は第3の機能、生体調節機能です。香り成分では、食品の中で比較的香りを多く含有する香辛料(ニンニクのにおい成分、アリシンやレモンに含まれるシトラールなど)は抗酸化性、抗菌性をはじめ種々の生理薬理作用があります。

 味成分では香辛料の辛味成分カプサイシンなどは強い抗酸化性を有します。色成分でもターメリックの黄色色素クルクミンなど抗酸化作用、発がん抑制作用など多くの機能性があります。

 今回は注目の栄養素、フィトケミカルを取り上げます。フィトケミカルは野菜、果物、豆類、芋類、海藻、お茶やハーブなど、植物性食品の色素や香り、アクなどの成分から発見された化学物質です。強い太陽の紫外線や雨風などから身を守るために植物が自ら作り出した色素や香り、辛味、苦味などに含まれる機能性成分がフィトケミカルで、酸化を防ぐ抗酸化力、抗菌力を持っています。

 ストレスや不規則な生活、紫外線などの影響で私たちの体は、日々活性酸素が発生しています。酸化は、さまざまな病気や老化の原因とされ、がんや認知症、生活習慣病とも密接な因果関係があるといわれています。

 ビタミンやミネラル、フィトケミカルを多く含む野菜や果物を食べることで体内の活性酸素(酸化力の強いもの)を取り除いて免疫力を高め、健康維持・改善に役立つのでは、と期待されています。

 野菜は淡色野菜と緑黄色野菜に分けられ、厚生労働省はカロテンの量が多いものを緑黄色野菜と定義づけています。

 一般的に野菜や果物のフィトケミカルは、7つの色に分けられています。その色は赤、だいだい、黄、緑、紫、黒、白です。

 今回は赤系のフィトケミカルについて述べます。赤系のフィトケミカルはリコピン、カプサンチンがあり、カロテノイドの1つです。リコピンはビタミンEの100倍、カロテンの2倍以上の抗酸化力を持ち、カプサンチンはリコピン同等かそれ以上といわれています。

 抗酸化作用、がん予防、動脈硬化予防効果があり、赤色は食欲増進の色といわれています。赤系の野菜の代表はトマト、唐辛子、パプリカ、果物ではグレープフルーツ(紅肉種)、スイカなどです。

 本日の一品はパプリカを使ったものでトマトも添えてクリスマスの一品にもなるかと思います。ぜひ、お試しください。では、また来週、お楽しみに。

本日の一品

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 肉詰めパプリカ

<材料 1個分>

パプリカ黄色(赤でもよい)1個、合いびき肉(牛・豚)80グラム、生食パン20グラム、牛乳20グラム、トマトケチャップ10グラム、トマトソース40グラム、コンソメ顆粒(かりゅう)、塩、こしょう適宜、ミニトマト1個、マッシュルーム1個、スナップエンドウ2枚、油少々

<作り方>

パプリカは中をくりぬく/生食パンを牛乳に浸し、合いびき肉と混ぜる/塩、こしょうをし、パプリカに小麦粉を付けたら詰める/半分にカットしてフライパンに油を敷いて焼く/焦げ目がついたら、コンソメスープ、トマトソース、トマトケチャップで肉に火が通るまで煮込む(マッシュルームも入れる)

<栄養量 1人分(1/2個分)>

185キロカロリー、タンパク質10.4グラム、脂質9.0グラム、塩分0.8グラム、ビタミンC98ミリグラム、ビタミンE2.3ミリグラム、葉酸50マイクログラム

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