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強迫性障害 改善しない

紙上診察室

(2017年12月5日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

Q 強迫性障害 改善しない

 40代の娘が洗濯物を何度もたたみ直したり歯みがきを繰り返し行うようになり、強迫性障害と診断されました。3年間通院し、服薬やカウンセリングの治療を受けていますが、改善しません。この方法でよいのでしょうか。(男性・74歳)

A 専門機関で判断仰ぐ

 強迫性障害は手洗い、入浴など清潔に関わる行為や、戸締まり、火の元の確認などを繰り返してしまう病気です。「まだ汚れているのではないか」「鍵が閉まっていないのでは」といった過剰な不安や恐怖が消えないために「やめたくてもやめられない」という状態が続きます。時間を浪費して日常生活にも大きく支障が出てきます。

 原因やメカニズムは分かっていないことが多いのですが、セロトニンという神経伝達物質の働きに作用する抗うつ薬(SSRI)が効くことが知られています。この薬だけで良くなることがある一方で、十分な効果が得られないことも珍しくありません。その場合にはSSRIを複数用いる、抗精神病薬を併用するなど、より効果を高める工夫が必要となります。

 認知行動療法も薬物療法と同等の効果がありますが、習得している医師など治療者が非常に少なく、実施できる医療機関は限られているのが現状です。

 症状が重くなると家族にも自分と同じように手洗いや確認することを求め、人間関係がぎくしゃくし慢性化することもあります。そうした場合には治療内容だけでなく、改善を妨げる要因がないかといったことも含めて治療全体を見直すことが必要かもしれません。症状が長く続く場合には、専門治療を行う医療機関に相談されることをお勧めします。(八事病院精神科)

画像橋本伸彦さん

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