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残薬数 質問事項 医師の説明 お薬手帳 メモで活用 薬剤師と情報共有

(2017年12月5日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

 薬局が調剤した薬や、患者のアレルギー情報などを記入する「お薬手帳」。薬ののみ合わせや副作用のチェックに役立つだけでなく、残薬状況や診断内容などいろいろ書き込むことで、薬剤師や医師に薬の相談をしたり、治療についての疑問を伝えたりすることもできる。患者と医療者をつなぐ団体「患医ねっと」(東京)代表で、がん闘病中の鈴木信行さん(48)に、手帳活用の実践例を聞いた。(竹上順子)

 鈴木さんは先天性の障害があり、20代で2度のがん治療を経験。現在も甲状腺がんの治療中で、長年の医療との関わりや他の患者との交流から、医師ら医療スタッフと十分にコミュニケーションを取ることの難しさを実感してきた。

 そこで通院時に持参する「お薬手帳」に着目。病院で出た処方箋と一緒に薬剤師に渡し、薬の情報が記されたシールを貼ってもらうのが一般的な使い方だが、鈴木さんは「自分でも書き込みをするといい」と提案する。

図1

 慢性期で薬をのみ続けている場合は、通院日の朝に手元に残った「残薬」の数を書くよう勧める。鈴木さんは以前、のみ残しの多い薬について「昼食を取らないので、昼にのみ忘れるから」と薬剤師に説明。服用は朝晩の1日2回で、同様の効果のある薬に替えてもらうようアドバイスされた経験がある。

 診察前に、医師に伝えたり尋ねたりしたいことを箇条書きしておくのもいい。いつから、どのような症状があって、何に困っているか−ということは、書かなければ言い忘れてしまうこともある。

図2

 医師らの話をメモするのもお勧め。鈴木さんは甲状腺がんの告知を受けたとき、医師の説明や治療計画をメモし、分からない部分を聞き直すのに役立てた。

 処方箋に病名の記載はなく、薬剤師に伝わっていないため、鈴木さんはこの手帳を使ってがんが確定したことを伝え、情報を共有した。その後の薬の切り替え時には、その理由や目的を含めて薬剤師が処方意図を理解でき、薬の内容や鈴木さんの理解に間違いがないかを確認することができた。

 お薬手帳は薬局で入手できるが、サイズが小さかったりページ数が少なかったりする場合は、市販のノートを使うこともできる。ただ、持ち主の名前、アレルギーや持病の有無など厚生労働省が記載するよう指導している項目があるので、既製品のお薬手帳を参考にしたり、薬剤師に相談したりするといい。

「かかりつけ薬局」持とう

 お薬手帳をより有効に活用するためにも、相談しやすい薬剤師がいる「かかりつけ薬局」を持ちたい。

 薬局事業などを展開する株式会社バンブー(神奈川県横須賀市)代表の竹中孝行さん(33)は「通いやすい場所にあり、処方箋に疑問があれば医師に連絡してくれる薬剤師がいる薬局がお勧めです」と話す。

 薬局に処方箋をあらかじめファクスや写真メールで送っておけば、待ち時間を短縮できる。薬の在庫がないときも近隣の薬局から入手するなど、迅速な対応をしてもらえる。竹中さんは「薬剤師との信頼関係ができれば、治療や健康の話はもちろん、介護のことなども気軽に相談できます」と話した。

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