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インフル ワクチン不足 長野県内も

(2017年12月10日) 【中日新聞】【朝刊】【長野】 この記事を印刷する

「予防接種 予約取れない…」 今月中旬から順次流通へ

画像インフルエンザのワクチン接種を受ける子ども。このクリニックでは既に予約を受け付けた分のみ対応している=飯田市の矢野こどもクリニックで

 インフルエンザの流行が始まったが、ワクチン製造の遅れから、県内の医療現場でもワクチン不足が続いている。予約を打ち切る病院も少なくなく、接種希望者は「何回も断られた」とワクチンを探し回る。そんな中、一部自治体では高齢者予防接種の助成期間を延長。国は今月中旬以降は安定した供給量を見込めるとして、落ち着いた対応を呼び掛ける。(伊勢村優樹)

 「別の医療機関にも問い合わせたという方も含め、毎日のように予防接種の問い合わせが来るが、断らざるを得えない」。

 飯田市上郷飯沼の矢野こどもクリニックの院長で、同市医師会の予防接種委員長の矢野秀実医師(62)は嘆く。矢野医師によると、今年は厚生労働省によるワクチン株の決定が例年より1カ月遅れたため、生産量が昨年より1〜2割減る見通し。製薬会社からのワクチンの入荷も例年に比べて遅れており、現在も入荷のめどが立たず新規の予約を11月中旬から中止している。

 その他の県内医療機関では、今年1300回分の接種を見込んだが、現時点でめどが立ったのは950回分という病院も。かかりつけ患者や高齢者、子どもを優先する対応を取る病院が多く、例年通り接種できているのはほとんどないとみられ、ワクチンがなくなった所もあった。

 また事態を受け、国は65歳以上の予防接種費用に関する助成期間を延長するよう地方自治体に通知。松本市や諏訪郡内の6市町村をはじめ、県内でも助成期間を1カ月ずらし1月末まで延ばす動きが広がっている。

 県保健・疾病対策課によると、供給は後ろ倒しになっているが、今月半ばから下旬には順次流通し、昨年の接種者と同等のワクチン量を確保できると予測される。矢野医師も「全国的な問題でどこかでストックがあることは考えにくい」とする一方、「パニックにならず、手洗いやうがいの徹底の他、マスク着用などの対策を取り、もう少し待ってほしい」と理解を求めている。

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