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<いきいき健康脳> 中年期の肥満

(2017年12月13日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

和食中心の食生活守ろう

画像イラスト・伊藤亜美

 皆さん、こんにちは。前回、飲酒、特に飲めない方が無理にお酒を飲むのは、脳にとってもよくないというお話をしました。今回は、脳の加齢に悪い影響を与えるものの続きをお話しします。

 お酒以外に、脳に悪いことといえば何を思い浮かべますか。実は、「肥満」が脳によくないということも分かっています。最近の研究で、中年期の肥満は高齢期の認知症のリスクを上げる、と指摘されています。

 では、肥満は全てよくないかというと、実はここには男女差があるのです。女性に多い皮下脂肪がたまる肥満は、脳への悪影響はそれほどないのです。

 一方、中年男性に多い、内臓脂肪がたまる肥満、つまりおなかがぷっくりと出てくるタイプは、よくありません。詳しい原因はまだ分かっていません。しかし、私たちの研究では「海馬(かいば)」と呼ばれる脳の器官の体積が、肥満になるほど萎縮する可能性があることを突き止めています。

 海馬は記憶に重要な役割を果たします。特に働き盛りの男性は、肥満に気を付けることが重要です。ダイエットにも多少は配慮するとよいでしょう。

 ただ、高齢になると、食べられなくなることの方が問題になるので、無理なダイエットは必要ないといえます。しっかり食べることがより重要です。

 なお、食事という観点から見ると、肉など高カロリー食品を多く摂取する食事より、魚介類を中心に、野菜や果物をしっかり取る食事の方がよいでしょう。

 和食や地中海食という食事のスタイルは、脳の萎縮を防ぐという点で理にかなっているといえます。体重をしっかりコントロールして、健康脳の維持を目指していきましょう。(東北大加齢医学研究所教授・滝靖之)

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