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「内密出産」導入検討 子が出自知る権利保護

(2017年12月16日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

赤ちゃんポストの病院

 親が育てられない赤ちゃんを匿名で預け入れる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を設置している熊本市の慈恵病院が、妊婦が匿名で出産し、生まれた子が成長した後に出自を知ることができる「内密出産制度」の導入を検討していることが分かった。
 望まない妊娠に悩む女性が自宅や車中などで孤立した状態で出産し、母子の生命が危険にさらされるのを防ぎたい考え。既にドイツで制度化されており、子どもの「出自を知る権利」の保護にもつながる。
 日本では環境整備されていないため、慈恵病院は今後、熊本市など関係機関と協議し、理解を求めたいとしている。
 病院側の構想では、女性に身元を記した封書を行政機関に預けてもらった上で、匿名での出産を受け入れる。生まれた子は特別養子縁組をした家庭などでの養育を求める。だが現行法上、子どもが無戸籍になる恐れがあり課題も多い。
 慈恵病院の赤ちゃんポストは二〇〇七年に開設。約十年間で百三十人が預けられ、うち少なくとも六十二人が母子の生命の危険性を伴う「孤立出産」だった。一方、親の身元が分からない子どもが今年三月末時点で二十六人おり、子の出自を知る権利との両立をいかに図るかが議論されてきた。
 運用状況を定期的に検証している熊本市の専門部会は「内密出産制度が一つの解決策」との見解を示し、市は今年七月と十一月、厚生労働省に法整備の検討を求めていた。
 慈恵病院の蓮田健副院長は取材に「自宅出産で母子に危険が伴うケースもあった。改善には内密出産が有効だ」と話した。

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