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ストレス影響 女性の薄毛 治療で改善も 半年〜1年で効果 保険適用外

(2017年12月19日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する
画像女性患者の頭皮の状態を調べる平山信夫院長(左)=名古屋市のAACクリニック名古屋で

 女性にとって髪は大切なもの。しかし近年、抜け毛や薄毛に悩む人が増えている。主な原因は女性ホルモンの低下だが、社会進出に伴って不規則な生活やストレス過多になっていることも影響しているとみられる。治療で改善したケースや、すぐにできる予防策を紹介する。(小中寿美)

 机上の画面に頭皮の拡大画像が映し出される。頭髪治療を専門に行うAACクリニック名古屋(名古屋市中区)の診察室。平山信夫院長(69)は「頭皮に炎症はなく、毛も太い。健康な髪になってきましたね」と患者の女性に話し掛けた。

 来院する女性は年間3300人で全体の1割ほどだが、10年前と比べると倍増。10月に女性専門外来を開設した。

 女性に多いのは頭部全体が薄くなる「びまん性脱毛症」や、男性のように頭頂部や額の生え際から後退する「女性における男性型脱毛症」(FAGA)。髪を豊かに保つ働きがある女性ホルモンの低下に加え、加齢、ストレス、過度の減量、睡眠不足などが絡んで起きると考えられている。

 同院の場合、患者は更年期にさしかかる40代と50代が最も多いが、若い世代も少なくはなく、30代以下が3割を占める。

 市内に住む30代の会社員は地肌が透けて見えるのが気になって受診。発毛効果のある成分ミノキシジルが入った塗り薬や飲み薬を2カ月続けると、抜け毛が減り始めた。頭頂部の髪も増え、薄毛を隠すために縛っていた髪を下ろせるように。友人からは「元気になったね」と言われた。

 同院によると効果の出方は個人差があり、半年から1年かかることが多い。改善しない患者も2〜3割はいる。治療は保険適用されず、薬代も含め月1万5千〜3万円かかるため、カウンセリングを行い患者の希望に沿って進めている。

 症状のとらえ方にも個人差がある。1年前から通う介護福祉士(32)は「相談できる人ができたことがうれしい」と話す。「治療を受けることにしたが『そこまで気にしなくて大丈夫』と言われ安心した」。不安がさらなるストレスを生む中「相談や治療でストレスを軽減できることが大きい」と平山院長は考えている。

生活習慣で予防

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 抜け毛や薄毛を予防したり、悪化を防ぐには「生活習慣を正すことが不可欠」と同院の顧問医師、浜中聡子さん(42)は話す。髪の毛は肌のあかと同じで死んだ細胞の集まり。毛そのものではなく「もととなる毛母細胞が活性化するように体を整えることが重要」という。

 具体的には「食」「睡眠」「運動」の三つを適切に実践する。食は、髪をつくるタンパク質をはじめミネラル、ビタミン、脂質、糖質(炭水化物)の五大栄養素をバランスよく取る。糖質を制限する食事法が流行しているが、体の健康や脳の働きにも欠かせないためゼロにはしない。

 髪の成長に欠かせない成長ホルモンは寝ているときに多く分泌されるため、睡眠は六〜七時間は確保したい。髪の成長が活発化するのは午後十時〜午前二時とされ、浜中さんは、遅くても日付が変わる前に就寝するよう勧めている。

 運動は、薄毛の大きな原因とされる血流の低下を防ぐ。「階段を使ったり、一駅分歩いたりと、日常の中で歩く機会を増やして」と浜中さん。

 頭皮のケアにも目を向けよう。皮脂が毛穴をふさいでいると、髪の成長を妨げるため、洗髪は夜に行う。頭皮をマッサージするように洗い、よくすすいだ後は、菌の繁殖を防ぐため頭皮までしっかり乾かすとよい。

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