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〈味な提言〉(10) 黄色系フィトケミカル 毛細血管補強の作用

(2017年12月17日) 【中日新聞】【朝刊】【愛知】 この記事を印刷する

愛知学泉大家政学部准教授・管理栄養士 岡本康子さん

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 読者の皆さま、お元気でいらっしゃいましたか。今年はミカンが裏作のようで、いつもの年よりやや少ない出荷のようです。ミカンは前回説明したようにプロビタミンAのほかにクリプトキサンチンという色素成分を含み、強力な抗がん作用が期待され、さらに免疫力を高めるビタミンC、疲労回復に効果のあるクエン酸も含まれ、この季節毎日食べたい果物です。

 さて、今回は黄色系のフィトケミカルを紹介します。黄色の野菜や果物には、ポリフェノールの一つフラボノイドや、カロテノイドの一つルテインがあります。フラボノイドは植物に含まれる淡黄色系色素でケルセチン(タマネギやホウレンソウに含まれる)やヘスピリン(レモンなどのかんきつ類に含まれビタミンCの働きを助ける)がその一種です。

 自分でも気が付かないうちに、指や手のひらに紫色のあざができていたという経験はないでしょうか。毛細血管が弱いと、少しの負荷がかかっただけでも、内出血してあざができやすくなります。原因は加齢、運動不足、ストレスなどが考えられます。活性酸素を除去する食べ物を取ることは毛細血管を強くする方法のひとつです。特にフラボノイドは毛細血管壁を補強する作用があります。そば、かんきつ類に含まれるルチンや大豆イソフラボンもこの仲間です。

 ルテインはトウモロコシや卵黄などに多く含まれます。野菜や果物ではトウモロコシのほかに、ホウレンソウ、ブロッコリー、ゴールドキウイ、菊の花、カボチャです。だいだい系のフィトケミカル、ゼアキサンチンとともに網膜の色覚色素が酸化するのを防ぐと考えられています。また肺機能の向上やがん予防の効果も期待され、特にビタミンCと一緒に取ると効率よく摂取できるようです。

 ところで、皆さまは菊の花を召し上がったことがありますか。青森や山形、新潟などが特産地ですが、生産量は山形が全国一位を誇るようです。最近、ジェイアール名古屋タカシマヤの地下で購入した食用菊も山形産でした。最近食べられる花「エディブルフラワー」が人気ですね。

 菊や桜の花は日本の代表的なエディブルフラワーです。菊はしゃきしゃきとした歯応えと、ほのかな香り、甘さとほろ苦さが、日本独特の繊細な伝統の味として、人々に親しまれてきました。私の家では子どもの頃に、母が庭に黄色と薄紫の食用菊を栽培しており、食卓を彩っていたことを覚えています。

 効果としてキク科特有の香り成分テルペンには自律神経を安定させてイライラを改善、リラックス効果があります。小菊は強い抗菌作用を持つため刺し身のつまなどに添えられます。黄色の色素成分ルテインは抗酸化作用で目の保護など視力低下予防が期待されています。本日の一品はこの菊の花のお浸しです。もし菊の花を見つけたら、お試しください。乾燥の菊花でも利用できます。では、また来週、お元気で。

本日の一品

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 菊花とセリのお浸し

<材料 1人分>

菊花(生)20グラム、セリ20グラム、削り節少々(約0.5グラム)、しょうゆ2グラム

<作り方>

菊花はほぐして、水を沸騰させ、酢を少々入れ、ゆでる。しゃきしゃき感を残すなら、さっと湯通しだけでもよい/水を絞る/セリも水を沸騰させ、塩を少し入れ(色止め)、ゆでる。セリは食べやすいサイズにカットする/まぜて削り節、しょうゆで味付けをする

※しょうゆや削り節は好みで増量

<栄養量 1人分>

15キロカロリー、タンパク質1.3グラム、脂質0.04グラム、塩分0.4グラム、ビタミンA33マイクログラム(1日推奨量700〜900マイクログラム)、ビタミンK34マイクログラム(1日推奨量51マイクログラム)、葉酸37マイクログラム(1日推奨量240マイクログラム)

 前回の一品「カボチャとカブのそぼろ煮」補足 だし汁は4分の1カップ。分量はだし昆布少々、砂糖3グラム、しょうゆ4グラム、みりん3グラム、片栗粉1グラム

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