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<いきいき健康脳> たばこの影響

(2017年12月27日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

酸欠誘発し、萎縮進める

 皆さん、こんにちは。前回、脳によくないこととして、肥満、特に中年期の男性の肥満がよくないというお話をしました。今回もまた、「脳の加齢に悪影響を与えるもの」の続きをお話しします。

 ご存じかもしれませんが、やはりたばこを吸うことも脳によくないといわれています。たばこをたくさん吸うと、肺の中に多くある「肺胞」と呼ばれる細かい壁の構造を壊してしまうのです。

 この壁は、「酸素と二酸化炭素のガス交換」という、人体にとって重要な機能を担っています。壁がどんどん壊されることで、ガス交換の効率が悪くなり、ひどくなると体の中が酸欠状態になってしまいます。

 多くの肺胞が破壊されれば、脳の神経細胞にも十分な酸素が行き届かなくなり、結果として脳の萎縮が進んでしまうのです。

 以上のような理由から、たばこは吸わないに越したことはないのです。

 これまで「お酒の飲み過ぎ」「肥満」「たばこ」が脳によくないと話してきました。これらと同様に、動脈硬化を抑えることも脳を健康に保つ上で重要です。

 動脈硬化の原因となる病気として、高血圧、糖尿病、高脂血症などいわゆる生活習慣病が挙げられます。ある程度お年を召されていれば、これらの病気を抱えていない方は少数かもしれません。生活習慣病の持病があると「もう駄目」というわけではなく、重要なことは「しっかりコントロールする」ということです。

 運動、食事、薬などで血圧や血糖値を適正な範囲内に維持することで、動脈硬化の進行を抑えることができます。では、次回からは、何をすると認知症の予防に有効かということを語っていきたいと思います。(東北大加齢医学研究所教授・滝靖之)

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