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三重県が窓口 無料化導入

(2017年12月28日) 【中日新聞】【朝刊】【三重】 この記事を印刷する

子ども医療費 19年春までに

 三重県は2019年4月までに、所得の低い世帯の6歳以下の子を対象に、病院で医療費支払いが不要な「窓口無料化」を導入する。ただ、県内14市町は県より早く、より広い範囲の子に窓口無料化を実施する方針。市町によって受けられる援助に差が出ることになる。(森耕一)

 ■市町が先行

 県にはすでに「子ども医療費助成制度」があるが、窓口で払い、2カ月後に親に医療費自己負担分が振り込まれ返還される。対象の子の医療費は事実上無料だが、窓口払いが難しい世帯があることなどから窓口無料化を求める声が出ていた。

 市町独自の実施も可能で鈴鹿市が唯一、0~3歳児に今年4月から窓口無料化を実施。四日市など3市が来年4月から、津や朝日など10市町は来年9月から、0~6歳児で窓口無料化を決めている。

 ■病院で混乱も

 これらの市町は助成制度を受けられるすべての子を無料化。妻が専業主婦、子どもが2人の場合、父親の年収が736万円の世帯までが対象だ。一方、県の制度は対象を絞り、同じ家族構成の場合、対象は父親の年収が306万円までとなる。県の制度だけ導入する市町と、独自の制度を併用する市町が混在し、複数市町の患者を診る病院窓口では混乱も予測される。

 ■医療費増も

 県によると、一部導入含め38都府県が窓口無料化を実施。県議会新政みえの三谷哲央議員は「すべての子を社会で応援する観点から、所得制限なく窓口無料化すべきだ」と主張する。

 県は、制度導入で実際に窓口無料化を利用するのは0~6歳児の1割程度と想定。県が無料化対象を絞る背景には、窓口で払う現行制度と比べ、完全無料化で本来不要な受診が増える懸念がある。

 実際、鈴鹿市は無料化実施で対象年齢の子の医療費が前年より5.5%上昇。市担当者は「受診しやすくなったなど好評」と話すが、県議会健康福祉病院常任委の奥野英介委員長は「今も本当は無料なのに、医療費を増やす政策はポピュリズム(大衆迎合主義)ではないか」と、厳しい県財政を考慮すべきだと主張する。鈴木英敬知事は、県は返還の形とはいえ実質的に小学6年まで医療費を無償化しており全国的にも手厚い制度と強調。「一時的な自己負担も困難な世帯の子のための政策という目的をはっきりしたかった」と強調する。

■子ども医療費窓口無料化の状況

【鈴鹿市】

0~3歳ですでに無料化(子ふたりの場合、親の年収736万円まで)

【四日市、伊賀、名張市】

0~6歳で2018年4月から無料化(子ふたりの場合、親の年収736万円まで)

【津、亀山、伊勢、鳥羽、志摩市、朝日、玉城、度会、南伊勢、大紀町】

0~6歳で2018年9月から無料化(子ふたりの場合、親の年収736万円まで)

【県】

0~6歳で2019年4月めどに無料化(子ふたりの場合、親の年収306万円まで)

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