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脳卒中患者 運転再開に光

(2017年12月30日) 【中日新聞】【朝刊】【長野】 この記事を印刷する

塩尻・桔梗ケ原病院 支援プログラム リハビリしながら訓練

桔梗ケ原病院が導入したドライブシミュレーターと、運転支援プログラムを作った園原医師=長野県塩尻市の同病院で桔梗ケ原病院が導入したドライブシミュレーターと、運転支援プログラムを作った園原医師=長野県塩尻市の同病院で

 長野県塩尻市の医療法人社団敬仁会が運営する桔梗ケ原病院は、脳卒中患者の自動車運転再開に向けた「運転支援プログラム」の本格運用を始めた。脳卒中患者の社会復帰と安全な車社会の実現に向けた取り組みだ。(一ノ瀬千広)

 脳梗塞などの脳卒中患者は注意障害といった高次脳機能障害が残り、運転できなくなることがある。運転再開を希望する場合、高次脳機能障害が残っていないかを医療機関が確認し、運転免許センターで運転適性検査を受けた後、運転再開が許可されるが、支援体制などは進んでいないという。

 同病院は、道交法改正を機に2015年にプログラム作りに着手した。運転再開を希望する患者の記憶力や判断力、注意力などを検査し、ドライブシミュレーターを使って運転能力を判断。その後、提携した教習所での運転評価を経て、運転免許センターでの検査に臨む。リハビリも実施し、運転再開後の1年間は追跡調査もする。

 同病院によると、今年11月末までに30人以上の患者が再びハンドルを握ることができた。

 塩尻市の会社員男性(57)もその1人。7月上旬に脳梗塞を発症し、右手や右足、言語などに障害が残った。

 運転再開を希望した男性は、桔梗ケ原病院を紹介されて同月下旬に入院し、リハビリをしながらプログラムに沿った訓練を受けた。11月下旬に運転が再開できることになり、現在は自家用車で会社に通勤している。

 男性は「プログラムは厳しい内容だったが運転再開後に事故を起こさないためには必要なことだった。スタッフの支援で乗り越えられた」と振り返る。

 リハビリテーション部統括部長の園原和樹医師(42)は「法改正で一定の病気がある運転者への対策が強化され、罰則も厳しくなった。医療機関として対応が必要と感じた」とし、「後遺症が重いために運転をあきらめてもらわなければいけない人も多いが、再開できる可能性のある人もいる」と指摘。

 その上で、運転再開が可能となる判断基準が明確になっていないことを挙げ「統一したガイドラインを国や関係機関が作成する必要がある」と語る。

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