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認知症徘徊事故 大府市が保険料

(2017年12月31日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

全国2例目 JR賠償訴訟 先例

保険事業の仕組み

 愛知県大府市は2018年度から、認知症の市民が徘徊(はいかい)中に事故などを起こして損害賠償を求められる事態に備え、市が保険料を肩代わりする制度を新設する。市によると、自治体によるこうした取り組みは全国で2例目。関連費用として数10万円を18年度当初予算案に盛り込む。

 対象となるのは、認知症の市民が交通事故や暴力行為で第三者にけがをさせたり、物を壊したりしたケースなど。徘徊の恐れのある人を発見・保護しやすいように、家族の申請などで事前に登録する制度をつくる。

 登録者の保険料(1人当たり年2千円程度)を全額、公費で負担し、個人賠償責任が認められた場合、最大1億円程度の限度額内で、保険金が保険会社から支払われる。18年度は100人程度の登録を見込んでいる。本人が亡くなったり、入院や通院したりした場合の補償はない。

 大府市では2007年、認知症の男性=当時(91)=がJR東海道線の列車にはねられ亡くなる事故があり、家族がJR東海から720万円の賠償を求められた。最高裁は16年3月、賠償責任はないとの判断を示したが、一審、二審では家族に賠償を命じていた。

 岡村秀人市長は「認知症の人がより住みやすく、家族も安心して介護、見守りができる環境を整えていきたい」と話している。

 認知症の人の公費救済制度は、神奈川県大和市が今年11月、全国で初めて導入。大府市は今月、認知症になっても安心して暮らせる街づくりを目指そうと、市の責務や役割をまとめた「認知症に対する不安のないまちづくり推進条例」を全国で初めて制定した。(宮崎正嗣)

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