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温かい食事と睡眠大切に 受験生の生活・体調管理

(2018年1月9日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

眠気誘う薬に注意 医師に相談を

 いよいよ受験シーズン到来。受験生が持てる力を発揮するためには、体調管理が欠かせない。注意すべきことはあるが、「普段通り」の生活を送るのが基本だ。風邪をひいた人や花粉症の人は、薬をのんで試験に臨まなければいけないケースも考えられるが、最近は眠気を引き起こしにくいタイプの薬もある。医師や薬局の薬剤師に相談してみよう。 (竹上順子)

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 この時季、インフルエンザの予防接種は例年ならおおむね済んでいるが、昨秋はワクチン不足で未接種の人もいる。家庭医・総合診療医で、相模原市立千木良診療所長の菅野哲也さん(43)は「接種を中止していたクリニックでは、昨年12月から再開したところも多い。今からだと接種の効果が出るのは2月以降になるが、まだ打っていない受験生や家族は早めに打った方がいい」と勧める。

 風邪の予防は手洗い、うがいが基本。体力と気力が落ちたときに風邪をひきやすいので、試験前は温かい食事と十分な睡眠を取る。冬は乾燥しがちなので、気付かないうちに水分が不足する「隠れ脱水」にも注意を。飲み物や食事で、水分と塩分を取るよう心がける。

 「家族はなるべく普段と同じ生活を」と菅野さん。食事は特別なメニューをそろえるより、いつも食べている消化の良い料理を用意し、話をしながら食卓を囲めばリラックスできる。普段からリビングで勉強する子は、親がそばにいる方が学習効果が高まるとされ、無理に自室での勉強に変える必要はない。試験時間に合わせ、早寝早起きの朝型生活にすることも大切だ。

 試験当日は、室内外の寒暖差に対応できるよう、脱ぎ着が楽な服装で。弁当も特別なメニューより、普段通りの好きなおかずを入れよう。冷たい飲み物や温かいお茶、チョコレート、あめなど、休憩時間に口にすることで、気分転換できるものがあるといい。

 しっかり準備しても緊張はしてしまうもの。菅野さんは「自分は緊張している、と認めてしまうのもいい」と説く。自分の思考や行動を認識対象とする能力は「メタ認知能力」と呼ばれ、自己コントロールや効率的な学習に役立つといわれる。緊張も「客観視することで、余裕が生まれることがある」と説明する。

 風邪をひいたときは、どうすればいいか。菅野さんは「基本はゆっくり休養して水分を取ること」。かかりつけ医などを受診した場合は「せきを止めたい」「眠くなりにくい薬がいい」といった具体的な要望を医師に伝え、適した薬を処方してもらう。薬局で市販薬を買う場合でも、薬剤師に希望のタイプを伝えるといい。

 この時季から花粉症の薬をのみ始める人もいる。日本医科大の大久保公裕主任教授(耳鼻咽喉科)は「花粉症で使われる抗ヒスタミン薬は眠気を引き起こすことで知られるが、最近の第2世代抗ヒスタミン薬は眠気が少ない。受験生は医師に試験があることを伝え、そうした薬を処方してもらうといい。市販薬もある」と話す。

 ただし眠気はなくても、集中力や判断力の低下など自覚しにくい作業効率の低下が残ることはあるので、自分の状態を認識することは必要だ。受診する場合は耳鼻咽喉科のほか、内科、小児科でもいい。

画像菅野哲也さん

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