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〈味な提言〉(12) 白系フィトケミカル 消化促進や抗酸化作用

(2018年1月7日) 【中日新聞】【朝刊】【愛知】 この記事を印刷する

愛知学泉大家政学部准教授・管理栄養士 岡本康子さん

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 読者の皆さん、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。皆さんはどんな年末年始をお過ごしになられましたか。

 本日は七草がゆの日です。昔から七草は、早春にいち早く芽吹くことから邪気を払うといわれ、無病息災を祈って七草がゆを食べたのです。実はこれ、とても理にかなった風習です。年末年始で食べ過ぎた胃腸などをいたわり、ビタミン不足なども補うことができます。七草(セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ)は抗菌、殺菌、消炎、止血、血液循環促進、利尿などの作用が期待できるようです。

 さて、今回の本題は、白系のフィトケミカルです。皆さんは餅つきをしましたか。つきたてのお餅を大根おろしとしょうゆを少しつけて食べる。子どもの頃、大人の味と思っていました。実は大根に含まれる消化酵素(アミラーゼ)により消化を促し、胃もたれを予防していたのですね。そんな白い野菜に含まれる白系のフィトケミカルに、イソチオシアネートと硫化アリルがあります。

 イソチオシアネートはピリッとする辛み成分のことで、消化液の分泌を良くする効果があり、ピロリ菌や大腸菌などに対して殺菌効果があるとされます。キャベツ、大根、ワサビ、菜の花などアブラナ科の野菜などに含まれます。

 硫化アリルは、タマネギを切る時に涙が出てくる原因となる成分です。硫化アリルの一種のアリシンはビタミンB1と結合しB1の吸収を高めます。ビタミンB1を含む食材(豚肉など)と一緒に食べると疲労回復の効果も期待できるようです。また抗酸化作用、血液をさらさらにする効果もあるようです。ネギ、タマネギ、ニラ、ニンニクなどに含まれます。

 本日の一品は大根と大根の葉を使ってみました。大根は春の七草では、スズシロと呼ばれます。土の上に出ている葉は青々として緑の野菜と同じくらいの栄養があり、土の中に埋まっている葉より下の部分は光を浴びないため光合成が進まず、白く軟らかくなります。

 大根は一つで緑系と白系のフィトケミカル、2つの効果が期待できる野菜です。ぜひお試しください。ではまた来週、お元気で。

本日の一品

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 ふろふき大根の鶏そぼろみそかけ

<材料 1人分>

大根150グラム、だし汁2カップ、昆布1枚、大根の葉10グラム、ミニトマト1/2個5グラム

鶏そぼろ:鶏むねひき肉40グラム、ショウガ(みじん切り)2グラム、油1グラム

市販の田楽みそ20グラム、みりん少々、大根の下にひく田楽みそ10グラム

<作り方>

大根はだし汁に昆布とともに入れ軟らかくなるまで煮る。大根の葉は2センチ程度に切り、大根を煮ただし汁でさっと煮る/フライパンに油をひき、鶏むねひき肉、ショウガみじん切りをいれ、ポロポロになるまで炒め、田楽みそ、みりんを加える/皿に田楽みそをひき、だしで煮た大根をのせ、そぼろみそ、さっと煮た大根の葉、へたをとり半分にしたミニトマトをのせる

<栄養量 1人分>

198キロカロリー、タンパク質10.2グラム、脂質5.8グラム、塩分1.8グラム、ビタミンA36マイクログラム、ビタミンC24ミリグラム、ビタミンK40マイクログラム、葉酸67マイクログラム、カルシウム58ミリグラム

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