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「夢」「来福」 前向きな年に がん患者支援施設で書き初め

(2018年1月10日) 【北陸中日新聞】【朝刊】【石川】 この記事を印刷する
画像朱色の墨で書かれた手本の字を見ながら書をしたためる利用者ら

 がん患者や家族を支援している「県がん安心生活サポートハウス つどい場はなうめ」(金沢市本多町)で、2015年から毎年、書き初め大会が開かれている。2年前に亡くなった女性患者が書いた手本が今も使われ、利用者が前向きになれる言葉を年の初めにしたためている。

 9日に開かれた大会には7人が集まった。手本は、朱色や黒の墨で書かれた「夢」「来福」「上善如水」など9種類。利用者は「習字は小学校以来だよ」と笑いながら、手本を見たり自由に言葉を考えたりして丁寧に文字を書いていた。

 手本の「一歩ずつ」に書き足して「一歩ずつリハビリ」と書いた女性(66)は「この間リハビリをし過ぎて体調を崩したので」と話した後、別の半紙に「生きる」とつづった。

画像整った筆遣いで前向きな言葉をつづった手本=いずれも金沢市本多町で

 書き初め大会は、スタッフの看護師木村美代さんが、趣味で習字をたしなんでいたその女性患者に「せっかくだからみんなが明るくなる言葉を手本に書いて」とお願いして始めた。大会の第1回は女性患者も参加したが、後に病状が悪化し、57歳で亡くなった。

 木村さんは「大腸がんで、はなうめに来たときはすでに転移していたけど、病気を前向きに捉えようとしていた明るい人だった」と振り返る。

 書き初め大会を続けることで、スタッフが利用者の心の変化に気づくきっかけにもなった。木村さんは「初めて参加する人もいて、少し前向きになったのかなと感じる。何かを残したいと考えていた人だったので、こうして手本が今も残っているのを見るのはうれしい」と目を細めていた。

 (堀井聡子) 

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