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タブレットで遠隔診療 三重県、実証実験へ 患者負担軽減 過疎地も安心

(2018年1月12日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する
三重県の遠隔診療実験

 三重県は新年度、難病や生活習慣病の患者が自宅にいながらタブレット端末を通じ医師の診察を受けられる遠隔診療の実証実験に乗り出す。触診以外は対面と同様の診察を目指しており、県によると都道府県では初の試み。過疎地での医師不足の問題解決や、患者・家族の負担軽減につなげるのが狙いで、同じ悩みを抱える自治体などから注目を集めそうだ。(森耕一)

 実験では、県内の20〜30人程度の患者にタブレット端末を渡し、まず体温や血圧、せきやたんが出るかなどの体調について入力してもらう。その後、主治医と端末を通してビデオチャットで会話し、病状を医師が診断する。同様の実験は昨年夏、福岡市が高齢者を対象に始めている。

 難病は、神経の異常で体が動きにくくなるパーキンソン病などを想定。専門医が限られ、病気によっては県内に数人しかいない。患者は遠方の病院に通う必要があり、本人や介助する家族に負担となっている。

 初診は対面で診断するが、経過が良好なら定期的な再診の一部を遠隔診療に切り替える。実験に参加する医師は「例えば月1回の通院が2カ月に1回になるだけでも、患者の負担は大きく軽減される」と話す。

 一方、糖尿病などの生活習慣病では、仕事が忙しいために定期的な通院をやめてしまう患者が少なくない。遠隔診療を活用すれば重症化を防ぐことができ、医療費の削減にもつながる。

 実験では市販のタブレット端末とインターネット環境を利用し、県の予算は年数100万円程度で済む見通し。遠隔診療で薬の処方箋を出す方法も検討する。4月以降、協力する医師に説明を始める。

 ネットによる遠隔診療を想定した診療報酬は、現時点では設定されていない。診療報酬改定を議論している国の中央社会保険医療協議会は、新年度以降の設定に向けて検討している。

 三重県の実験はこの動きを先取りした形で、担当者は「医師や病院不足が深刻な県南部の過疎地域では特に有効だ」と話している。

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