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<いきいき健康脳> 運動の効果

(2018年1月10日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

30分程度の散歩習慣化を

画像イラスト・伊藤亜美

 皆さん、こんにちは。前回まで、脳によくないことは何かということをお話ししてきました。今回からは、では何をすることが健康な脳の維持に有用なのかということを語っていきたいと思います。

 今はメディアや書籍などで、非常に多くの情報があふれていますが、その中で実際に科学的な確度が高い情報というのは必ずしも多くありません。おそらく読者の皆さんが最も関心があることと思いますので、数回にわたって詳しく述べたいと思います。

 脳の健康維持において、科学的に証明されている最も重要なことは、実は運動です。運動は健康な体の維持だけでなく、健康な脳の維持にも大変重要であることが分かっています。

 では、どのような運動がよいのでしょうか。実は、激しい運動をする必要はありません。1日30分程度の散歩だけでも効果があるといわれています。

 もし心肺機能や関節などに問題がなければ、少し息が弾む程度の早歩きがより効果があります。ただし、無理をする必要は全くなく、体に負担を掛け過ぎることは逆効果です。重要なことは習慣化です。

 天気のいいときだけでも1日30分程度の散歩をする、という習慣付けをすることが、皆さん一人一人の脳を健康に保つ上で最も有効です。ぜひ習慣化を目指して頑張ってください。また、運動の習慣化は脳だけでなく、体全体の健康にも当然有効です。

 では、なぜ運動が脳にいいのでしょうか。諸説ありますが、脳の記憶をつかさどる「海馬(かいば)」という領域を例に挙げます。海馬の神経細胞の新たな誕生が、運動によって促されていることが研究で分かっているからです。家族みんなで運動習慣を付けて、健康脳の維持に役立てましょう。(東北大加齢医学研究所教授)

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