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大動脈弁閉鎖不全症手術は必要?

紙上診察室

(2018年1月16日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

Q 大動脈弁閉鎖不全症手術は必要?

 心臓の大動脈弁閉鎖不全症で通院しており、悪化すれば手術だそうです。早く手術すべきか、様子を見た方がいいのか迷っています。(男性・73歳)

A 南な淵ぶち 明宏さん 心臓超音波検査で判断

 心臓の左心室の出口にあるのが大動脈弁です。この弁がしっかりと閉まらず、心臓が大動脈に送り出した血液が逆流して、左心室に戻ってくる状態を大動脈弁閉鎖不全症といいます。

 聴診器で雑音が聞こえるので、普通はすぐ診断がつきます。逆流の程度が治療しなければならないほどかは心臓超音波検査で判断します。重症の程度は左心室がどれだけ拡大したかで判定され、一定以上、拡大が確認されれば、手術をした方がいいでしょう。

 手術はいったん心臓を停止させて大動脈弁を人工弁に取り換える方法が、一般的で最も安全です。小さな傷で済むという理由で、通常の半分しか胸を切開しない特殊な手術をする外科医が一部いますが、安全性や有効性は確立されていないため、避けるべきです。経験と技術がある心臓外科医を選ぶことが重要です。

 なお、心臓を停止させている間は人工心肺を使って全身に血液を送ります。肝臓病や栄養不良などで体力が低下した状態では、この人工心肺が体の負担となり、手術で心臓の状態は良くなっても回復が遅れます。心臓手術を受けるなら、体力があるうちに、そして症状がまだ顕著でないうちに受けることをお勧めします。

 経験ある医療機関なら、2週間程度で退院できますが、日常生活への復帰は個人差があり、手術前の生活や健康状態に影響されます。(昭和大横浜市北部病院循環器センター教授 南淵明宏氏)

南淵明宏氏

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