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〈味な提言〉(14) 黒系フィトケミカル 抗酸化作用や殺菌効果

(2018年1月21日) 【中日新聞】【朝刊】【愛知】 この記事を印刷する

愛知学泉大家政学部准教授・管理栄養士 岡本康子さん 

岡本康子さん

 読者の皆さん、冬将軍が来たかと思うと暖かい日もあり、寒暖の差が激しいですが、お元気でお過ごしですか。

 今回は黒系のフィトケミカルを紹介します。黒系のフィトケミカルにはクロロゲン酸と渋味成分のカテキンがあります。カテキンはタンニンとも呼ばれています。両方ともポリフェノールの一種です。クロロゲン酸は野菜ではゴボウ、ジャガイモ、ヤーコンに、果物ではバナナに含まれます。そのほかにコーヒーの苦味や香りもクロロゲン酸です。

 例えば、バナナの皮をむいてしばらく置いたり、ゴボウを切ってしばらく置いたりすると、むいたバナナやゴボウの切り口が黒く変色しますね。これは褐変といいますが、細胞が壊され、酸素に触れたために起こる現象です。黒くなるのは強い抗酸化力を持っているからです。クロロゲン酸の注目されている効果・効能は、抗酸化作用による活性酸素の除去に加え、発がん物質の生成の抑制効果への研究が進められています。

 カテキンは皆さんご存じの緑茶や柿、ワインなどに含まれます。虫歯菌の増殖を抑える殺菌作用、コレステロールの調整、がんの抑制効果もクロロゲン酸同様に期待されています。

 緑茶や紅茶などでうがいすると、インフルエンザや風邪予防になるといわれているのはこの殺菌作用があるからですね。インフルエンザが猛威を振るう季節がまだもう少し続きます。ぜひ、緑茶や紅茶でうがいをしてご自分のからだを守りましょう。手洗いも忘れずに。

 本日の一品はゴボウを使ってみました。ゴボウは通常あく抜きをしてから料理をしますね。でも実はこのときクロロゲン酸が溶け出すので、あく抜きしすぎないことがゴボウの栄養を効率よくとる食べ方になります。最近はあくを抜かなくてもよいゴボウも出回っています。またゴボウには水溶性の食物繊維イヌリンが含まれ、血糖の上昇をゆるやかにするといわれています。ぜひお試しください。

 ではまた来週、皆さん、お元気で。

本日の一品

ゴボウとタコの煮物

 ゴボウとタコの煮物

<材料 1人分>

ゆでダコ50グラム、ニンジン30グラム、ゴボウ40グラム、セリ10グラム、砂糖3グラム、市販の液体濃縮だし5グラム(しょうゆ3グラム、みりん1グラムでも可)、水150グラム、だし昆布1切れ

<作り方>

ゆでダコはぶつ切りにする/ゴボウは皮をむき、5センチぐらいにカット。あくが強い場合は少しあく抜きする。ニンジンも5センチぐらいにカット。セリは別にゆでておく/だし昆布、砂糖、濃縮だしを入れた鍋にゴボウ、ニンジン、タコを入れ、タコが軟らかくなるまで煮る(20〜30分)/ゴボウ、ニンジン、タコを盛り付け、セリを添える

<栄養量 1人分>

96キロカロリー、タンパク質9.6グラム、脂質0.4グラム、糖質14グラム、塩分1グラム、ビタミンA220マイクログラム、葉酸49.7マイクログラム、食物繊維3.5グラム

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