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在宅療養 AIが見守り 福井大講師ら 訪問看護師らの通信とセンサーで行動を分析

(2018年1月21日) 【中日新聞】【朝刊】【福井】 この記事を印刷する
画像開発中のシステムの説明をする山村講師=福井市北四ツ居町の県看護協会で

 人工知能(AI)を活用して在宅療養患者への支援を効率化する研究に、福井大地域医療推進講座の山村修講師(49)らのチームが取り組んでいる。訪問看護師と病院スタッフが交わす通信記録と、人感センサーで把握した患者の行動パターンを分析し、治療や介護に生かす。2019年度までにシステムを開発し、20年度以降の導入を目指す。(梶山佑)

 総務省の「戦略的情報通信研究開発推進事業」の一環。山村講師によると近年、病院に通うことが難しい高齢者が増え、自宅などで療養する患者は増加傾向。一方、訪問看護師は24時間の対応を迫られて疲弊しており、AIの利用でこうした課題の解決を目指す。

 研究チームが目を付けたのは、訪問看護師と、患者が以前に入院していた病院の看護師や医師とのやりとり。従来は電話で患者の症状や治療法を話し合うことが多かったが、インターネットによる会話型の通信機能「チャット」を利用することで情報を共有して文字データとして蓄積できる。

 肺がん末期の女性患者(64)の例では、入院中と退院後の鎮痛剤の服用量がチャット上で議題となった。退院後は家事などによる活動量が増えたことで、入院時と同じ服用量では痛みに耐え切れなくなったことが判明。AIを活用することで、こうした在宅療養ならではのノウハウを読み取ることができるという。

 研究チームが注目する患者の行動パターンでは、寝室や居間などに人の動きやドアの開閉を感知するセンサーを設置。患者の運動量や睡眠量を把握し、筋肉の量と質の低下具合などを推測できるようにする。

 研究は今後、これらの情報を集積してAIに分析させる段階に進み、訪問看護師の質問にシステムが答える機能の構築を目指す。山村講師は「孤立しがちな患者が『見守られている』と感じられるシステムを開発したい」と話す。 

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