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助産師外来開設から10年 妊産婦 細やかにケア

(2018年1月21日) 【中日新聞】【朝刊】【三重】 この記事を印刷する

尾鷲総合病院看護師長 浜畑幸美さん(53) 

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 尾鷲総合病院(尾鷲市上野町)の「助産師外来」。県内では鈴鹿市に次いで2カ所目の設置となり10年。妊婦健診や母乳相談を通して「体重を増やさないための食事って?」「妊婦が荷物を持って大丈夫?」といった小さな疑問や不安を助産師が解決する。開設に携わった看護部看護師長で助産師の浜畑幸美さん(53)に現状と展望を聞いた。(聞き手・木村汐里)

 −できるまでの経緯と具体的な仕事内容は

 産科医不在の時期を挟んで担当医が着任した際、分娩(ぶんべん)を扱うに当たって負担軽減策として要望があった。助産師側としても正常な妊娠であれば対応可能だったため、2007年4月に開設された。

 尾鷲総合病院にかかり、医師の許可を得た妊婦を対象に現在5人で対応しており、計14回ある妊婦健診のうち、妊娠初期、中期、後期の3回を見ている。1時間にわたって腹囲測定や心音確認のほか、食生活指導、運動指導などをする。産婦向けの30分の母乳相談は、授乳の仕方や、母乳の出を妨げない粉ミルクの利用法などの問い合わせに応じることが多い。

 −健診するのが医師でない。不安の声はないか

 医師では時間の制約もあって保健指導、生活指導が受けられない。エコー検査も推定体重を出して異常の有無を確認するだけになりがち。助産師外来では、比較的時間を長く取ることができるため、赤ちゃんの様子をゆっくり見て楽しむことができる。

 この場では推定体重を出したり胎児診断をしたりすることはできないが、医師には相談しづらい小さな悩みも話しやすく、不安になる人ほど受診を希望する傾向にある。腰が痛い、足の付け根が痛い、夜中に足がつるといった話でも、医師受診後に相談したいからと助産師を待つ妊婦もいる。受診件数を見ると、初年度は631件だったが、地域の出生数や当院での分娩件数の減少に伴い減少傾向。16年度は345件、15年度は425件だった。

 −開設以来、注意してきたこと

 強制や押しつけがましい指導ではなく、妊産婦自身が変わっていけるような対応を心掛けてきた。一人一人に応じたケアができるよう、次回の健診を担当する助産師への引き継ぎ資料にも当人の情報や悩みを細かく記載し、担当が代わっても不安にならないようにしている。

 −課題と展望は

 「満足のいく分娩を提供したい」との思いで、勉強会などへは休みを使って自腹で行っているのが現状。5人で全ての妊産婦をケアできるわけではないので、看護師の協力も得ている。

 今後については、他院で出産した人でも、地域の助産師として母乳育児を希望する人や産後のおっぱいで悩む人なども当院でサポートしたい。そのための他院との連携を検討していきたい。

 はまはた・ゆきみ 1964年、紀北町生まれ。尾鷲高校卒業後、三重大医学部付属看護学校を経て、国立名古屋病院付属看護学校助産師科を卒業。86年から尾鷲総合病院に勤務しており、2013年4月に看護師長に就いた。

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