つなごう医療 中日メディカルサイト

インフル猛威 患者急増 名古屋の小児科

(2018年1月30日) 【中日新聞】【夕刊】【その他】 この記事を印刷する

2時間で100人超 診察断る場合も

画像インフルエンザ対策として受付に置かれた自動消毒器=29日、名古屋市北区の特別養護老人ホーム「鳩の丘」で

 インフルエンザが猛威を振るっている。名古屋市内では、患者が多いため、受付時間内であっても診察を断る小児科も。予備校では受験生らが感染に神経をとがらせるほか、重症化しやすい高齢者が入居する老人福祉施設も予防に懸命だ。

 名古屋市内の小児科医院は1月中旬から、診療時間内でも、患者が一定数を超えると受け付けを断っている。ホームページで「受付を終了させていただくことがあります」と告知する。

 患者は特に、診療している医療機関が少ない日曜に集中。この医院は日曜は午前9時半から11時半まで受け付けるが、制限開始後のある日曜は、100人超を受け入れ。診察が終わったのは午後6時すぎだった。

 院長(47)は「休憩時間もなく、集中力を保つにも限界がある。インフルエンザ患者は、待合スペースも他の患者と分けねばならない。広さの観点からも、診察できる人数は限られる」と説明する。

 大手予備校の河合塾は受験生約3800人が通うマンモス校・千種校(同市千種区)の自習室(定員230人)で高性能空気清浄器を使う。塩素でウイルスを殺菌するタイプで医療機関でも使われる。昨春に導入した。受験生らに「安心感がある」と好評という。

 個々の受験生も注意を払う。国公立大志望の男性(19)は「受験を控える中3の弟もいるので、家でもマスクをしている。緑茶を持ち歩き、のどを乾燥させないようにしている」と語る。名古屋大志望の男性(19)は乾燥を防ぐため、自宅で勉強するときは暖房を使わない。「上着を着込んでしのいでいる」と話す。

 特別養護老人ホーム「鳩の丘」(名古屋市北区)は内規で、家族にインフルエンザを発症した人がいる職員は出勤停止にしている。

 この冬は、規定に従い職員4人が24時間、自宅待機。いずれも、感染していないことを確認してから、出勤を再開した。

 受付で入館する家族らにマスクを渡し、手の消毒をしてもらう。これまで、職員97人のうち1人が発症したのみ。91人の入居者に感染はないという。高本照美看護主任(58)は「感染すると、亡くなる高齢者もいる。気を抜かずに入居者を守る」と話す。

 厚生労働省によると、全国5千の定点医療機関から今月21日までの1週間に報告されたインフルエンザ患者数は、1機関あたり51.93人となり、統計を取り始めた1999年以降最多になった。

マスク、手洗い徹底を A型、B型流行時期重なる

 名古屋市立東部医療センターの長谷川千尋感染症科部長は「インフルエンザA型とB型の流行が重なった。典型的な高熱の症状が少ないのも特徴だ」と語る。

 昨シーズンまでは12月上旬ごろからA型が、1カ月ほど後にB型が流行していたが、今年はB型の始まりが早く、ピークが重なった。インフルエンザは突然の高熱が典型的な症状だが、今年は37度台の微熱に倦怠(けんたい)感が続く軽症例が多く、病院で検査して初めてインフルエンザと分かる人が多い。通常4、5日で治まる症状も、今年は1週間以上続くケースもある。

 軽症でも感染力は、症状が出る1、2日前からあり、解熱後も長いと5日間は続く。長谷川部長は「知らずに街中に出て感染を広げている可能性がある」と話す。人混みに出ないこと、出るときはマスクで予防し、手洗いを徹底することを呼び掛ける。

 昨年12月初めに不足していたワクチンは、現在は足りている。抗体が付くまで1週間ほどかかるが「受験生など2、3月に重要な予定がある人、重症化しやすい高齢者は接種した方がいい」と話す。今後の経過にもよるが、3月いっぱいは警戒が必要という。

中日新聞広告局 病医院・薬局の求人