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小室さん葛藤「痛いほど…」 脳機能障害 介護の家族

(2018年2月1日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する
画像記者会見で引退を表明した小室哲哉さん=1月19日、東京都港区で

 不倫騒動をきっかけに音楽活動からの引退を表明した音楽プロデューサー小室哲哉さん(59)は、長期間の家族の介護の苦労を浮き彫りにした。くも膜下出血の後遺症で脳の機能障害が進む妻KEIKOさん(45)の状況を赤裸々に説明した姿に、同じ境遇の人々から同情の声が相次いだ。

 「介護を必要とする人を家族に持つ者の葛藤が痛いほど分かる」。2011年にくも膜下出血を発症し、自宅で療養中のコラムニスト神足(こうたり)裕司さん(60)は小室さんの19日の会見後、自らのツイッターにつぶやいた。

 小室さんによると、7年前に発症したKEIKOさんは身体的な障害はないが、高次脳機能障害で音楽への関心が徐々に失われ、日常会話も困難に。関心を取り戻してもらおうと努力したが「5年近く、歌うことはもうなくなりました」。仕事と介護の両立に「僕も疲れてしまった」と告白した。

 会見後、ツイッターでは「会話ができない中、介護する人の孤独感は半端じゃない」「介護は経験した者にしか分からないことがたくさんある」など、小室さんの境遇に理解を示すつぶやきが多く書き込まれていた。

 左半身まひや記憶障害のある神足さんは、妻の明子さん(58)が介護する。明子さんは「男女を問わず、話し相手になってくれる人がいないと大変でしょうね」と小室さんのつらさを推し量り「私の場合、友達が外に連れだそうとランチなどに誘ってくれる。息抜きも必要です」。

 高次脳機能障害のある人や家族でつくるNPO法人「脳外傷友の会みずほ」(名古屋市中区)の副理事長で、交通事故で同障害となった息子の母でもある河田幹子さん(64)は「外見上は『障害がある』と分かりにくいため、社会の理解が進んでいない」と話す。

 主な症状として、感情や欲求の制御ができなくなる社会的行動障害や、新しいことを覚えるのが苦手になる記憶障害などがある。同会では当事者と家族の情報交換や交流会のほか、社会復帰を目指した就労支援も行っている。河田さんは「10人いれば10人とも症状が違う。時間はかかるかもしれないが、日々の訓練で少しずつ良くなる。家族だけで抱え込まずに、支援団体などに相談してほしい」と訴える。

 小室さんと「週刊文春」報道 同誌1月25日号が小室さんと看護師女性との不倫疑惑を報道。小室さんは発売翌日の19日に記者会見し、不倫を否定したが「騒動のけじめ」として引退を表明。2011年にくも膜下出血で倒れた妻KEIKOさんを介護し、自身もC型肝炎と闘う中で「精神的な支えが必要だった」と吐露した。同誌報道に対し、ツイッターなどで批判の声が出ている。

 くも膜下出血 脳卒中の一つで、脳動脈瘤(りゅう)の破裂で起こる。後遺症は、記憶障害や失語などの症状が出る高次脳機能障害や、半身まひなど。厚生労働省の調査によると、2014年10月時点で、脳卒中で治療中の患者は117万9000人で、このうち、くも膜下出血は4万2000人。

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