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18日岐阜で女性向け公開講座 若年がん治療に 妊娠の望みを

(2018年2月6日) 【中日新聞】【朝刊】【岐阜】 この記事を印刷する

事前の卵子凍結保存など解説

画像「妊孕性温存の選択肢をまずは知ってもらうことが大切」と話す古井教授=岐阜大で

 妊娠しやすさを表現する「妊孕性(にんようせい)」という言葉がある。若くしてがんを発症した際、治療の副作用で子どもができにくくなる前に、卵子や精子を凍結保存し、妊孕性の温存を目指す方法があるが、なかなか当事者への周知が進んでいない。こうした現状を打破しようと、県内の産婦人科医とがん専門医を中心につくる「県がん・生殖医療ネットワーク」は18日、若い女性を対象にした公開講座を初めて開く。(兼村優希)

 医療の進歩で今や、がんは治療できる病気になった。一方、女性特有の乳がんや子宮頸(けい)がんは30代から発症する例が増えている。

 岐阜大病院の周産期・生殖医療センター長の古井辰郎教授(52)によると、抗がん剤や放射線によるがん治療などの副作用では、男性は精子がつくれなくなったり、女性は卵巣の組織が壊れたりする恐れがある。治療前に卵子や精子などを凍結保存すれば、治療後も子どもを望める可能性は高まる。だが、産婦人科以外の医師は、生殖医療の知識に乏しく、凍結保存という選択肢を患者に示さないなど、適切に対応できないことがある。

 古井教授らは「専門科の垣根を取り払った組織づくりが必要だ」と全国に先駆け、2013年にネットワークを設立した。現在は、県内外の病院や産婦人科クリニック37施設で構成。岐阜大がんセンターの相談窓口でカウンセリングし、患者の要望に応じて医師が連携して処置に当たる。古井教授によると、設立から17年6月末までの間に、同大で相談したのは男性が58人、女性が119人。卵子や精子を凍結保存したのは男性が60%の35人、女性が22%の17人だった。

 病院によってばらつきはあるが、卵子を凍結保存するには費用が30万〜40万円かかる。それでも成功率は100%ではない。古井教授は「何が何でも凍結すれば良い訳ではない。ただ、考える機会もなく、気付いたら子どもができなくなっていたという展開が、最悪なんです」と力を込める。

 そもそも子どもが欲しいのか、養子縁組も検討するのか。病状によっては、悠長に考えている時間はないかもしれない。「がんにかかる前に、自分の将来ビジョンを考えることで、万一の際に心構えができる」と受講を呼び掛けている。

 公開講座「若年女性の将来の妊娠と出産を考える」は、18日午後1時半から、岐阜市の岐阜都ホテルで開く。入場無料。(問)ネットワーク事務局=058(230)6349

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