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県がんセンター愛知病院 来春 岡崎市に経営移管へ

(2018年2月6日) 【中日新聞】【朝刊】【愛知】 この記事を印刷する
画像経営が統合される(上)県がんセンター愛知病院=岡崎市欠町で (下)岡崎市民病院=同市高隆寺町で

 県は5日、県がんセンター愛知病院(岡崎市)の経営を、2019年4月に岡崎市に移管する方向で協議していると発表した。近くの岡崎市民病院と統合し、診療機能や患者、職員を市民病院が引き継ぐことで経営の効率化を図る。(中尾吟、谷悠己)

 17年度内に、移管後の病院の運営方針などを取りまとめ、県と岡崎市で合意を目指す。大村秀章知事はこの日の定例会見で「早期に機能を統合していかないと、両病院とも経営が厳しくなるのは明らか。移管後も県は施設の整備、財政支援で関わり、さらに高度な医療を提供できるようにしたい」と述べた。

 県がんセンター愛知病院(276床)は、三河地方のがん診療の拠点で、乳がん手術などでは県内有数の実績を持つ。だが、患者の治療にかかる費用や職員らの人件費が増え、年々経営を圧迫。16年度は4億3千万円の損失を計上した。

 20年春にはJR岡崎駅近くに藤田保健衛生大岡崎医療センター(400床)が開業するため、経営はより厳しくなると判断。岡崎市民病院(715床)に機能を委ね、地域医療の充実化を目指すことにした。

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 愛知病院は先週、医師や職員に移管計画を説明。患者向けには詳細な移管計画がまとまった後、診療科ごとに医師らが説明する。愛知病院事務部の担当者は「これまでもあった市民病院との連携関係を一層強め、しっかりと引き継ぎをしていきたい」と話した。

市 地域医療充実メリット

 県がんセンター愛知病院の岡崎市への移管について、同市の内田康宏市長や岡崎市民病院の木村次郎院長らも5日に会見した。内田市長は「競合する機能を再編すれば、財政面の効果に加え、地域医療の充実にもつながる」と期待した。

 岡崎市民病院は愛知病院の東方800メートルに近接。消化器系のがんはどちらの病院でも対応できるなど重なる機能もあるが、愛知病院は救急対応に制限がある。木村院長は「再編により、診療分野が充実し、医療スタッフが確保しやすくなるなどメリットが大きい」と指摘した。

 同市を含む西三河南部東医療圏(岡崎市、幸田町)では、集中治療を担う病床は将来的に過剰になる一方で、入退院を繰り返す高齢者やリハビリなどに取り組む患者向けの病床は不足する見込み。木村院長は「需要に合わせた病床数やスタッフの配置を進めたい」と話した。

 愛知病院で長年赤字が続いてきたことについて内田市長は「市に過度の負担がかからないように県と協議する。なるべく早く黒字転換を目指したい」と話した。(森田真奈子)

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