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需要高まる予防接種に力 大同病院 浅井雅美さん

医人伝

(2018年2月6日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

大同病院(名古屋市南区) 副院長 浅井雅美さん(55) 

画像予防接種センターで、幼児にワクチンを注射する浅井雅美さん

 乳幼児の定期予防接種だけでなく、成人にも対応できる「予防接種センター」を2004年に開設した。専門知識を生かし、開業医からの相談にも乗るなど、地域で頼られる存在だ。

 この地方では、製造業に勤める人が、欧州や東南アジア、南米などに駐在員として数年間赴任するケースが増えた。出国前に破傷風やB型肝炎などのワクチンを接種するのが一般的だが、行き先の国の事情やワクチンについての知識が欠かせず、対応できる医療機関は少ない。「海外赴任の期間や、現地でデスクワークをするのかジャングルに入るのか。状況によってどのワクチンを接種しておくか、判断が求められる」と話す。

 予防接種は、海外で感染症にかからないことだけが目的ではない。入国などの際に特定のワクチンが接種済みであることを要求する国がある。「米国留学だと、予防接種を受けていないと入学許可が下りない場合がある」と話す。

 母子手帳に記載された接種歴や抗体検査の結果などから一人一人の状況を読み解いてワクチンを選択。出国時期を考慮しながら接種のスケジュールを組み立てる。証明書の提出を求められることが多いため、英文の接種証明書を発行している。

 名古屋市生まれ。「女性が一生続けられる仕事をしたい」と医師を志し、名古屋市立大医学部を卒業。「一人の患者を総合的に診療したい」と小児科医を選んだ。2児を育て上げたが、産休を取った以外は常勤で医師を続け、実家や夫に支えられながら当直もこなした。「女性だから仕事がいいかげんだと言われたくなかった」と振り返る。

 予防接種に本格的に取り組み始めたのは、04年に大同病院に赴任してから。「子どもの予防接種の知識があっただけで、それ以外はゼロ。ワクチンを保存する冷蔵庫だけ病院に買ってもらって、週1回の外来から始めた」と語る。

 08年ごろから、子どもの定期接種の種類が増え始めるとともに、海外渡航者も増加。予防接種の需要が高まり、センターも大きくなっていった。健康な人に施す医療のため、副反応を起こす可能性があることにも説明を尽くしている。

 小児科医として日々、診療を続ける。「水ぼうそうの子どもを見なくなるなど、子どもの感染症が様変わりした。ワクチンの効果はすごい」(稲田雅文)

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