つなごう医療 中日メディカルサイト

猛威ふるうインフルエンザ 高熱出ない隠れタイプも

(2018年2月6日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する
自分や家族がかかったら・・・

 インフルエンザが大流行している。手洗い、うがい、マスクによる予防が大切なことは言うまでもないが、かかってしまったら、周囲にうつさないことが何より重要になる。自分や家族がかかったと思った時、どう判断し、行動すればよいか。「隠れインフルエンザ」と呼ばれる今年の傾向も踏まえて紹介する。(小中寿美)

 まずは普通の風邪とどう見分けるか。インフルエンザは38度以上の高熱や頭痛、関節痛、筋肉痛などの症状が急速に現れるのが特徴。これとほぼ同時か少し遅れて鼻水やせきなどの症状も出てくる。

 熱が上がらないケースもある。呼吸器内科が専門で、名古屋市立大病院感染制御室長の中村敦教授(55)は「ワクチンを接種していると発熱のピーク時の体温が1度ほど低くなる」と話す。体温調節の機能が低い高齢者やステロイドなどの抗炎症薬を使っている場合は熱が出ないこともある。

 今年は、こうした条件に該当しないのに熱が上がらない人が大勢いるとみられ、インターネット上などで「隠れインフルエンザ」と話題になっている。かくいう中村さんもB型にかかったが、発熱はまったくなく、悪寒が続いて検査したら陽性だった。

 熱が上がらないからと油断するのは禁物だ。中村さんは「重症化や感染拡大は防ぐ必要がある。関節痛など全身症状や家族の感染など疑う状況があるなら受診した方がいい」と強調する。呼吸器疾患や糖尿病などの持病がある人、高齢者、妊婦、乳幼児などは感染すると重症化する危険がある。

 ウイルスは、せきやくしゃみ、話をした際などに口から出る飛沫(ひまつ)とともに排出される。それを吸い込んだり、ウイルスが付いたドアノブなどを触った後に口や鼻に触れたりすると、粘膜から体内に入って増殖する。

 医療機関で通常行われる検査は、ウイルスが一定量に達しないと陰性と出る場合がある。より正確な結果が得られるのは発症から12時間以降とされる。一方、発熱期間を短くしたり、ウイルスの排出量を減らしたりする抗インフルエンザ薬は、発症から48時間以内に服用を始めないと十分な効果が期待できない。

 いつ受診するか判断は難しいが「(12時間にこだわらず)早期に受診を」と中村さん。抗インフルエンザ薬の服用は早ければ早いほど効果があるとされる。結果が陰性でも症状によっては、薬を処方することもある。ワクチン接種や家族の感染、学校の流行状況なども判断材料になるため伝えるとよい。

 診断されたら、自宅で安静にし、家族とはなるべく部屋を分けて食事時間もずらす。子どもの場合は薬の服用の有無にかかわらず、窓を開けてベランダに出ようとするなどの異常行動が報告されており、ベランダに面した部屋に寝かさないなどの注意が必要だ。

 熱が下がってもしばらく感染力があり、出席停止期間は「発症後5日、かつ解熱後2日(幼児は3日)を経過するまで」と学校保健安全法施行規則で定められている。大人にはこうした規制はないが「同様の措置が望ましい」と中村さんは説明する。

まだ間に合う予防接種

おさらい!咳エチケット

 インフルエンザウイルスは感染した当日から感染力があるとされる。一方で発症するまでの潜伏期間は1〜3日。少なくとも発症前日から周囲にうつす可能性がある。

 厚生労働省が挙げる「咳(せき)エチケット」は、感染予防の一つとして有効だ。普段から心掛けるよう同省は呼び掛けている。

 ワクチンは感染を完全に防ぐことはできないが、重症化を予防するとされ、接種から2週間ほどで免疫がつく。中村さんは「流行は通常、3月までは続くため、今からでも接種を」と呼び掛ける。肺炎を併発しやすい高齢者は、肺炎球菌のワクチンも接種した方がいいとされ、同時接種を行う医療機関もある。

中日新聞広告局 病医院・薬局の求人