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〈味な提言〉(17) 食物繊維 善玉菌増え整腸効果 

(2018年2月11日) 【中日新聞】【朝刊】【愛知】 この記事を印刷する

愛知学泉大家政学部准教授・管理栄養士 岡本康子さん

 皆さん、お元気でお過ごしですか。先日、読者の方から質問をいただきました。「防腐剤は腸内細菌叢(そう)を乱すのでは?」という内容です。

 防腐剤などの食品添加物は、食品の製造・加工・保存などを目的として食品に添加する物質です。厚生労働相が指定した指定添加物、天然添加物として使用実績が認められ品目が確定している既存添加物、天然香料、一般飲食物添加物に分類されます。厳格に安全性と有効性が審議され、その使用が認められています。

 人の腸内細菌叢は、年齢、飲酒、ストレス、偏った食生活、抗生物質の服用などにより日々変化します。あまり神経質にならず、少し栄養を意識しておいしく食べること、食品(食材)が偏らないことが大切ではないかと思います。ご質問ありがとうございました。

 さて本題に入りましょう。今回は食物繊維についてです。皆さん食物繊維といわれて何を思い浮かべますか。野菜、イモ? 食物繊維には水に溶けない不溶性食物繊維と水に溶ける水溶性食物繊維があります。

 不溶性食物繊維は、穀類、野菜、豆類、キノコ類、果実、海藻のほか、甲殻類(エビやカニ)の殻にも多く含まれています。特徴としては、胃や腸で水分を吸収して大きくふくらみ、腸を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を活発にし、便通を促進します。

 水溶性食物繊維を多く含む食品は、昆布、ワカメ、こんにゃく(原料の時のみ)、果物、麦類などです。分かりやすくいうと、昆布のとろとろ、果物に含まれるペクチンなどが水溶性食物繊維です。その粘着性により胃腸内をゆっくり移動するので、食べ過ぎを防ぎます。また糖質の吸収を緩やかにし、食後血糖値の急激な上昇を抑えます。

 不溶性、水溶性の両方が持つ性質として発酵性があり、これがとても重要です。大腸内で発酵・分解されると、ビフィズス菌など善玉菌が増えて腸内環境が良くなり、整腸効果があります。

 水溶性の方が、発酵性が高いので、腸内を整える効果も大きくなります。オリゴ糖と同じ効果ですね。食品素材としてよく使用される水溶性食物繊維として難消化性デキストリンがあります。ではどれだけ取ればよいのか。来週はそこから話を続けます。

 本日の一品は野菜がいっぱい入った汁、私の祖母の味をご紹介します。ではまた来週、お元気で。

本日の一品

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 ずるびき(東北郷土料理)

<材料 1人分>

ゴボウ20グラム、ニンジン20グラム、大根20グラム、白菜20グラム、もやし20グラム、ホウレンソウ20グラム、しらたき20グラム、シメジ20グラム、豆腐30グラム、ネギ2グラム、油揚げ8グラム、鶏肉20グラム、カツオ昆布だし100グラム、塩0.5グラム、しょうゆ3グラム、片栗粉1グラム

<作り方>

(1)ゴボウ、ニンジン、大根はサイコロ(お好きな大きさに)、白菜はざく切りにする(2)鍋にだし汁を入れ、材料をすべて入れ、具材が軟らかくなるまで煮る(3)塩、しょうゆで味を調える。水溶き片栗粉でとろみをつける(4)ホウレンソウは前もってゆでておき、最後にネギとともにのせる

<栄養量 1人分>

130キロカロリー、タンパク質7.5グラム、脂質6.1グラム、糖質10グラム、ビタミンA220マイクログラム、葉酸102マイクログラム、食物繊維4グラム

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