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〈生活部記者の両親ダブル介護〉(36) 介護保険を使って

(2018年2月14日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

「老老」「遠・近」でしのいだ日々

画像NHKの取材でカメラを向けられる父。怪しいものを見るような表情から父の心中は推測できます。「また耕喜がわしのことを書いたんか」と

 NHKが取材に来た。昨年来紙面で訴えてきた「わけあり人材よ胸を張れ、本気を出せ」の思いに、とある記者が共感してくれた。私は過労で長期療養し、両親とも要介護となり、自身が難病を抱える。それでもというか、だからこそ困難すら力に変えられる、変えていこうと宣言したのだった。

 今回の取材については、前もって父母に説明したが、なかなか通じない。認知症の母は取材クルーに驚いた様子だったが、カメラ以外は女性だったこともあり、優しく声をかけられるうちに安心したようだ。ミキサー食もいつも通りに完食した。

 一方の父は、いぶかしげにカメラを見る。せめて姿勢だけでも正そうと電動ベッドの頭を上げるが、上げた分だけ上半身が下がり、ベッドテーブルから首から上だけが出るような格好になってしまった。弱った脚は上半身を支えられず、ひざは曲がったまま。自力では座った状態をつくり、維持できない。自動車への移乗どころか、車いすに乗るにも困難を要するだろう。

 6年前の秋だったか。介護保険の認定手続きで近所の開業医に父を連れていった時を思い出した。つえはついていたが、父はカメと争う程度には歩けた。その時も親の老いに切なくなったが、今思えば立って歩くだけでも、いかに偉大なことか。たとえつえを用いても。

 その時の判定は要支援2。週2回のデイサービスに通うところから、父の介護保険暮らしは始まった。メインの介護者は母という老老介護。それを、私が東京からサポートする遠距離介護、緊急時には弟が近距離介護で支えるという分担だった。 (三浦耕喜)

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