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中日新聞 広告局 企画・特集

 1月25日(土)、テレピアホール(名古屋市)にて、「中日アレルギーケアフォーラム2014」(主催:中日新聞社、協賛:カルピス株式会社)が開催されました。当日は花粉症、アトピー、食物アレルギーなどさまざまなアレルギーについて第一線で活躍する医師、専門家がデータなどを交えわかりやすく解説。アレルギーに関する知識や対策を学ぶ絶好の機会となりました。

講演1 「アレルギーと向き合う」~花粉症などアレルギーのはなし~

アレルギーが増えた理由

 文明の進化は便利で豊かな暮らしをもたらしましたが、その一方でさまざまな問題を引き起こしています。「アレルギー疾患」もそのひとつです。背景には、大気汚染物質の増加など体外環境の悪化と、 食生活の偏りや抗生物質の乱用による体内環境の悪化があります。さらに異常な乾燥状態と合成洗剤の普及により、皮膚・粘膜のバリア機能が損なわれたこと、衛生環境の著しい改善で免疫機能が低下したことなどもアレルギー増加の原因とされています。

まずは専門医に相談を

 スギ花粉で知られる「花粉症」ですが、今ではアレルゲンとなる花粉が多数発見。しかも白樺の花粉症の方がリンゴでアレルギーを起こすなど、花粉の種類に応じて特定の果物、野菜がアレルゲンとなることもわかりました。
 花粉症の治療には、花粉エキスを定期的に注射し、崩れた免疫機能のバランスを調整する方法がありますが、完治がめざせる代わりに、長期間の通院と強い副作用のリスクがあるのが欠点でした。
 そこで最新治療として注目されているのが「舌下免疫療法」(自由診療)です。これは花粉エキスを舌下に垂らし、2分間そのままにした後に飲み込むというもの。現在、臨床治験が進められており、近い将来注射法に代わる免疫療法として保険適用が期待されています。
 アレルギー疾患は花粉症をはじめ実に多様で、それらが合併したり代わる代わる発現する全身病です。現在、アレルギーに悩んでいる方は、アレルギー疾患に精通した専門医のもとで総合的な診断を受け、適切な治療を受けてください。

講演2 「アレルギー発症のメカニズム」~アトピー性皮膚炎はどのようにして起こるのか~

免疫・アレルギーとは何か

 人間を病気から守る「免疫」には「自然免疫」と、自然免疫では対応できない病原体(抗原)に「抗体」で攻撃する「獲得免疫」があります。アレルギーには獲得免疫が関係し、その主役は「リンパ球」という細胞です。リンパ球には種類があり、アレルゲンに対抗する「IgE抗体」は、「Bリンパ球」が「2型ヘルパーTリンパ球(Th2)」のサポートを得て作り出しており、「IgE抗体」の作りすぎを抑える「1型ヘルパーTリンパ球(Th1)」もあります。
 アレルギーは、2つのヘルパーTリンパ球がバランス良く機能せず、IgE抗体が作られすぎてしまうことで起こります。その結果、ヒスタミンなどの有害な化学伝達物質が放出され、さまざまなアレルギー症状が現れるものです。

上手に付き合う気持ちで

 アレルギーの発症には、家族歴・既往歴といったアレルギーを発症しやすい体質が関係しています。しかし、増加の背景には、遺伝因子より、抗原・大気汚染・水質汚染など環境因子の影響が強いことが予想されます。
 アレルギーの症状が強い人は、アレルギー専門医のもとで症状を鎮静化させる適切な治療を受けてください。アレルギー疾患は根治が難しく、生活の質を損なう辛い病気ですが、「上手に付き合う」という気持ちが大切です。私たちの研究では、「L‐92乳酸菌」を2ヵ月間投与したマウスで、IgE抗体の減少が見られました。あくまで動物実験ですが、腸を健康な状態に保つこともアレルギー予防には有効です。症状を悪化させないために日常生活でできることを主治医に相談し、焦らず気長に取り組んでください。

講演3 「腸の働きとアレルギー」

腸内細菌の役割とは

 口から入った食物は胃で分解された後、小腸で栄養が吸収され、大腸で水分が吸収されてから便となって排出されます。腸には「パイエル板」という免疫組織がありますが、有害なものは排除し、常在する菌や体に有益な食物(たんぱく質)とは共生する「経口免疫寛容」という状態を維持しています。これが崩れ、食物を異物として排除しようとして起こるのが「食物アレルギー」です。
 経口免疫寛容の維持には、腸内にいる多数の細菌集団である「腸内細菌叢(そう)」の働きが重要であり、ビフィズス菌や乳酸菌など人体に有用な腸内細菌叢が充実していることが大切とされています。

乳酸菌でアトピー対策

 通常、ビフィズス菌や乳酸菌など有用な腸内細菌は、生後1週間から1ヵ月の間に急激に増えますが、アトピー性皮膚炎を発症した子どもには、大腸菌などの悪い腸内細菌が多く、乳酸菌などの有用菌が異常に少ないことがわかりました。
 そこで、生後10ヵ月以上3歳未満のアトピー性皮膚炎のお子さんに「L‐92乳酸菌」を一定期間飲んでもらったところ、皮膚の状態、血液検査、お母さんのアンケートでも、症状が少し緩和したことがわかりました。現在、乳酸菌をはじめ、有用な腸内細菌を含む特定保健用食品が身近となり、味噌や納豆などの発酵食品にも有用菌が豊富です。アレルギーのある方は、これらの食品を積極的に摂取することで、腸の免疫力をコントロールし、わずかでもアレルギー症状の緩和に役立ててもらえることを願っています。

講演4 「食物アレルギーのあたらしい治療法」~低アレルゲン化食品と経口免疫療法~

食物アレルギーへの対応

 食物アレルギーとは、アレルゲンとなる食品を食べること、触ること、吸い込むことで起こるさまざまな症状のことです。そのため食事では安全確保が何より重要となりますが、原因物質を含まない食品を見つけるポイントの基本は食品表示の確認です。誤食の約30%は表示を確認すれば防止できたというデータもあり、食品の購入時はもちろん、食べる直前にもう一度確認する習慣を身につけましょう。また、すべての原料が表示されない場合や、外食のメニューなど表示義務がない場合もあるので注意が必要です。
 次いでアレルゲン性を低下させた市販の「低アレルゲン化食品」の利用があります。また、味噌や納豆、ケチャップやアップルパイ、缶詰など加工や調理によって、低アレルゲン化できるので、何が大丈夫か医師や栄養士の指導を受けてください。
 このように食物アレルギーの食事療法は、安全を確保しつつ栄養面とQOLにも配慮し、必要最小限の除去をめざす方向に向かっています。

必ず医師・栄養士に相談を

 また、食物アレルギーの多くは年齢とともに治る傾向にあります。子どもの場合は成長に伴い、医師や栄養士に相談しながら、何をどのぐらい食べていいか調べてもらうことも大切。自己判断は禁物です。
 また、アレルゲンを少しづつ摂取し耐性をつけていく「経口免疫療法」(保険適応がない研究段階の治療)という治療も一部の医療機関で受けられるようになりました。リスクを伴う治療ですので、必ずアレルギーの専門医に相談してください。医師や栄養士のサポートのもと正しい知識を得て、安全と食べる楽しみが両立できるよう、食物アレルギーと上手に向き合っていただくことを願っています。

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